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第137話 唯side
玲緒と離れてから2ヶ月とちょっと。
カレンダーでは6月を迎えていて少し暑くなってきたところだ。
玲緒との約束のために自分を見つめ直して、ひたすら目の前のことに集中すると決めた。
玲緒を迎えに行くのはそれが出来てからだ。
「も〜、唯さんこわい顔しないで〜」
「は?別にこわい顔なんて…」
言いかけてその先を言うのを止めた。
机の上に置いてある携帯の真っ黒のディスプレイに反射して映るのは眉を寄せ険しい顔をしている自分の顔だったから。
家では集中できなかったから、久しぶりに本家の方で仕事をしようと思い、本家に来てみたけどあまり変わらなかったようだ。
「なんでそんな顔してるの〜?」
ソファの上でごろごろと転がる八坂がそんなことを聞いてきた。
「いつも通りだろ…」
嫌味も込めて、優しい顔を意識して八坂ににこりと笑かけても八坂は俺の顔なんて見もせず携帯をいじっていた。
内心いらつきながらもなんとか堪える。
「う〜ん…あ、欲求不満とか??」
その言葉になんと答えて良いのか分からず黙って考えを巡らせた。
「あたりかぁ〜、まぁ玲緒くん学生だしね…」
と、独り言を続ける八坂。
玲緒がマシンガントークする人、なんて呼ぶのもこんなに喋るのだから仕方ないんだろう。
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