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第141話

「はぁ、……好き」 唯の家についてから俺は背負っていたリュックを玄関に投げ出し、走ってリビングまで行った。 そこで大きく息を吸って深呼吸をする。 唯の家っていうことを体全体で感じながら冒頭のようにそう言った。 あとから来た唯に何やってんだって頭をぐしゃっと撫でられたけど気にしない。 それすら嬉しくて俺はもっとやってほしいと言うように唯に擦り寄った。 「まだ学校始まってないんだろ?」 「うん」 俺の頭を撫でながら唯がそんなことを聞いてきた。 今は話せること自体が幸せに感じられるから話しているだけでとっても楽しかった。 「なんでこんなに重たいんだ?」 唯の手には、さっき玄関で投げ出した俺のリュックがあった。 「あ、ごめんなさい。塾いってたからだよ〜」 慌ててそのリュックを受け取り、床に置いて今度はソファに座る唯の膝の上に乗った。 「頑張ってるんだな」 「俺、一生懸命やってるんだよ!みて!この前の模試の結果!」 リュックの中から前回の模試の結果が記されている紙を取り出して唯に見せた。 「ここが志望校か?」 「うん!」 俺の志望校は緑が多くて綺麗な学校だった。 学力的にも頑張れば入れそうで、通学面を考えても家からあまり遠くなくて電車で通える距離だった。 …唯の家が俺の家より近いっていう条件も揃っている。 「本当に頑張ってるな…」 唯が真面目な顔でそう言ってくれたから俺はすっごく嬉しくなった。 「頑張ってるから…ご褒美、ください」

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