「おはよう」 「……おはよ」 朝、リビングで爽やかに挨拶をしてくる唯とは真反対に俺は重い体が更に気を重くする。 だけど何ヶ月かぶりに会えたのは嬉しくて、そんな気持ちも吹き飛ばしてしまうんだから恋の力ってすごいと思う。 「昨日はごめんな」 そう言って唯は俺の体を後ろからぎゅうっと優しく抱きしめてくれた。 ぐるっと回された腕がお腹の下らへんで結ばれて少しくすぐったく感じる。 「ん、いいよ…嬉しかったし」 玲緒がそう言うと唯は嬉しそうな笑顔で玲緒の髪を撫でた。 「夏休みはいつまで？」 「うーんとね、あと１週間くらいだよ。課題は全部終わらせてある！だから……唯の家にいてもいい？」 「いいけど、お前はいいのか？」 そう言って唯は心配そうに顔をのぞいてきた。 きっと勉強とかそういうことを言ってるんだろうなぁ 「うん…しばらく離れたくないもん」 ぎゅっと回された唯の手を掴んでそういうと唯は少し困ったように微笑んだ。 「デート…でもするか？」 突然出てきたデートっていう単語に俺は驚きながらも嬉しかった。 「えっ、いいの？！」 そしたら唯はクスっと笑った。 「あぁ、だけど玲緒の体調が良い時な」 「？…俺いつも体調良いよ！」 「ここの」 そういってするりと腰を撫でられてやっと意味が分かった。 同時に顔が、かぁっという効果音が付きそうなくらい熱くなるのを感じていた。 「俺ちゃんと整理できたから。自分のこととか玲緒のこと、だから……前みたいに会いに行ってもいいか？」 「っ…もちろん！……あのね、俺も強くなりたいって思って、自分に出来ることは一生懸命頑張ったんだ。…勉強だって１つの武器になるって思ったから。だから、これからも唯の隣にいられるように精一杯がんばるね！」