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第144話
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本家に行かないで家で仕事をする分、仕事は大変で多くなるみたいだった。
パソコンに向き合ってすっごい速さでキーボードを打っているのをみかけた。
だから迷惑かけないように唯が仕事してる間は勉強していることにした。
シーンっと静まり返った部屋にカリカリとシャーペンの芯が紙の上で滑る音が響く。
「んー」
わからない…
この応用問題いつもできないんだよなぁ…
数ページ前に戻りやり方を確認する。
けどやっぱり分からない。
まぁいいや、ここは飛ばしちゃおう
「ここ、分からないのか」
そう思ってページを捲ろうとした手が後ろから伸びてきた手に止められた。
誰って聞かなくても分かる、唯だ。
「え、…う、うん」
そしたら唯は隣の椅子に座った。
よく見たらメガネをしていた。
なんか、いつもと違って…ドキドキする…。
「ここをこうして……」
横顔ですらかっこいいからずるい。
俺だってイケメンになりたかったのになぁ…。
「…聞いてるか?」
「わぁっ、き、聞いてるよ!…でも、もう1回教えて欲しいなぁ…なんて…」
そういって唯にお願いしてみた。
そしたら唯はクスって笑って俺の頭を撫でてくれた。
「玲緒だから特別な……ここをこうして…」
わ、すごい…めちゃめちゃわかりやすい
「…………すごい!!唯!できた!みて!!!」
そう言って唯のおかげで解けた問題を唯に見えるように大きく開くとそれをみて唯はにっこり笑って撫でてくれた。
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