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第146話
「わー!玲緒くんだ〜!」
本家につくと俺の顔をみた八坂さんがぎゅうっと勢いよく抱きついてきた。
夏だからということもあって暑い…。
そんなことを思っていると唯が八坂さんの頭ををぺしんと叩いた。
「離れろって」
「え〜もう唯さんってば焼きもち焼きなんだから〜」
そんなことを言いながら八坂さんは頬をぷうっと膨らませて渋々離れてくれた。
でもテンションはそのままで今日はいつもよりご機嫌なようだった。
「れーおくんっ!!!」
「は、はいっ」
「俺ね、玲緒くんのこと心配だったんだよ〜唯さんが監禁したと思ったら今度は距離を置くって言い始めて驚いたんだ」
八坂さんはきっと表情豊かなんだと思う。
話をしているその時々にあった表情をする。
この人表情がころころ変わって面白い…
「ふふ、お久しぶりです、心配かけてすみませんでした。」
「全然いいよ〜!唯さんお仕事するんだよね?俺が玲緒くん借りてもいーい?」
「…玲緒がいいならいいけど」
そう言って唯はちらっと俺の方を見てきた。
その視線の意味はよく分からないけど、八坂さんが俺の相手をしてくれるのは嬉しかった。
「うん、お願いします!」
「…じゃあ、玲緒のこと頼む」
唯はなんでか渋そうな顔をしていた。
こそっと八坂さんに何か耳打ちしてたみたいだけど俺には聞こえなくて諦めた。
「はいはーい!唯さんはお仕事がんばってね〜!じゃ、玲緒くん行こ!」
「あ、うん…あの…唯、お仕事がんばって…」
八坂さんが言ってるのを聞いて俺も言わなきゃって思って言ったけど途端に恥ずかしくなっちゃってすぐに部屋を出た。
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