158 / 337
第158話 唯side
朝に見送った玲緒と八坂が帰ってきたのは太陽が沈んで暗くなってきた頃だった。
玲緒はもう疲れて眠いようで八坂が抱き上げて連れてきた。
それを見てよく分からないけど胸がもやもやとした。
その時は、久しぶりに1日もあいつの相手をしたから疲れが溜まっているんだと思った。
眠そうだった玲緒は俺を見た瞬間ぱちっと目を開けて、一瞬だけだったが頬を緩めた。
だけどそのすぐあとに眉を寄せたのが分かった
「ほら、玲緒こっち」
よく分からないまま玲緒を八坂から引き取り、抱き寄せた。
玲緒は俺の胸にぐりぐりと顔を押し付けて匂いを確認するようだった。
…可愛いな。
そんなことを思っているとあいつが玲緒に話しかけていて、玲緒もその返事で頷いていた。
正直、あんまり話さないで欲しかったけど玲緒は無視とかできないだろうからしょうがないと自分に言い聞かせて納得した。
それからの玲緒の様子が少し変だった。
何かを思いつめているような…悩んでるようなそんな感じ。
どうしたら良いんだろう…と、そんなことばかり考えながらシャワーを浴びた。
*
シャワーを浴び、浴室から出てリビングに行くと玲緒がソファに横になっていた。
疲れてるだろうからそっとしておこうと思ったけど、よく聞けばすすり泣く声が聞こえた。
ともだちにシェアしよう!