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第163話
「じゃあやめる」
唯はそう言って煙草の火を消して灰皿やまだたくさん入っていた煙草のケースなどを片付け始めた。
「えっ、いいよ!俺、我慢出来るし!」
こんなにもあっさり俺の言葉を聞いてくれるとは思っていなかったので正直驚いた。
だって依存性が高いとか聞いたことあったし…
そしたら唯は隣に寝転んできて
「丁度やめなきゃなって思ってたんだよ」
と、笑ってくれた。
「…嬉しい、です」
「それなら良かった」
ぐいっと唯の方に引き寄せられてふわっと唯の香りがした。
この匂いは結構好きだったりする…。
今度、香水を使ってるのか聞いてみよう。
もし使ってたら俺も同じの使いたいなぁ
「唯にはね、長生きしてもらいたいの」
「あぁ」
「それで大人になったら一緒に住みたい」
「そうだな」
「だから煙草やめてくれて嬉しかったよ」
自分で話してても相当まとまりのない話だと思う。だけど唯はちゃんと頷いて聞いてくれていた。
明日は何をしようかな
…唯がいてくれれば何でもいいか。
そして俺はゆっくりと夢の世界へ意識を落とした。
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