8 / 27

2-4

「も……やめ……ぁ」 「何か言ってあげたら。お父さんに」 顔の横に携帯が掲げられる。 喚く声が霞む頭の中に飛び込んできた。 -充、何をしているんだ、どうしてそんなことを 「……っの、クソジジイ、お前のせいで……」 -壱也!? おい、どうして、一体…… 「お前のせいだ……!」 体が熱を帯びてくる。 こんなに熱くなるのは初めてだ。 指がもう一本壱也の内側に捻じ込まれた。 「うあ……っ」 「時夫さん……壱也君、素質あるかもしれませんね」 聞こえます? 今、指、二本くわえ込んで、こんなにヤラシイ音立ててるんですよ。 「や、やめ……」 言葉が続かない。 吉崎は携帯を壱也のそこへと近づけた。 生々しい音色と壱也の途切れがちな叫びが寝室の中を行き交う。 「変態……!」 「変態の指に勃起している君も変態だろうね」 未発達な性感帯をいじられて勃起したペニスの先に吉崎は触れた。 「あっ」 自分のものじゃないような声が洩れる。 着ているセーターが蒸し暑い。 「壱也君の、硬くなってますよ……こんなに濡らして……」 吉崎から前後を嬲られて壱也は声にならない悲鳴を上げる。 携帯は二人のすぐそばに落ちている。 すべて筒抜けだろう。 だが今の壱也にそんなことを気にする余裕はなかった。 「今ね、指を入れて、しごいてあげてるんですよ……」 あ、今、射精しちゃいました。 でもまだ若いですからね。 すぐ大きくなりますよ。 吉崎の言う通り、壱也のペニスは一度の吐精では物足りずに硬さを保っている。 「もうやめてほしいなんて思わないんじゃない」 指を抜かれて壱也は呻吟した。 吉崎は再び携帯を手にする。 「今から挿れてあげますよ」 腰を支えられ、宛がわれるとほぼ同時に、一気に。 体中の血が沸騰するような心地に壱也の心臓は飛び跳ねた。 「ひぁ……ぁ……ぁ」 突き動かされて体が揺れる。 吉崎の少し荒くなった呼吸が反芻される。 不意に壱也の意識は暗闇に遮断された。

ともだちにシェアしよう!