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昼夜問わず壱也は惰眠を貪る。 その日、目覚めた瞬間、壱也は飛び起きた。 定位置にいた吉崎に不安げに視線を投げかけた。 「……なんで」 「何も変わらないから」 彼の手元には壱也の手首を拘束し続けてきた手錠が転がっていた。 「少しは楽になるかと思ったら……駄目なんだ」 だってあの人の顔が見えない。 何だか、もう……わからなくなってきた。 「それさ……間違えたんだよ」 「何を?」 「親父にとって大事なモン」 俺を大事にしてるなら警察にとっくに通報してる。 俺は助けられてあんたは逮捕されてる。 だけど警察なんて動いてない。 「親父が一番大事にしてんのは自分なんだよ」 地位とか世間体とか、そういうモンを捨ててまで俺を助けたくはないわけ。 俺じゃなくて親父自身を拉致るべきだったんだ。 「……そうだね」 「別にあんなんに縛られなくたって……もう忘れたら? きつくね?」 壱也は必死だった。 吉崎の寂しそうな表情を見るのは耐えられなかった。 黙って壱也の言葉に耳を傾けていた吉崎はフフ、と小さく笑った。 「優しいところもお父さんに似ているね」 親父なんかのどこがいいんだよ。 「似てねぇよ、いちいち比べるな!!」

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