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そういえばこの人いくつ年上なんだっけ。
壱也はふと浮かんだ疑問に内心失笑した。
年齢も出身も、今、どこで何の仕事をしているのかも知らない。
そんな男に、今、こんなにも欲情している。
「な、に……今、笑った?」
「なんでもない」
壱也は作業ズボンと下着を一緒にずり下ろした。
あの時、自分を後ろから犯したペニスは、先端を卑猥に湿らせて硬くなっていて。
掌で包み込み、上下に撫でると、先走りを垂らした。
「濡れてる」
「ん……」
「もっと濡れる?」
そう言って壱也は掌を激しく上下させた。
天井に向かって反らされた胸に舌先を纏わせて尖りを食みながら。
「あ、あ……壱也君……」
手錠が頭上で音を立てる。
あれ?
不意に壱也は硬直した。
全身を火照らせてもどかしげに息をする吉崎を覗き込むと、切羽詰まった声を絞り出す。
「俺、手錠の鍵、持ってない」
すると吉崎は色めいた眼差しで思わず小さく笑った。
「これね……鍵、不要だから」
「え?」
「ほら、ここに……レバーがあるの、わかるかな……」
「あ、ホントだ」
「ここを動かせば開閉できるんだよ……」
知らなかった。
そんな単純な構造のものに縛られてたのか、俺。
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