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第22話
六、 I n the Bed room
何度帯を結んでも前が自然とはだけている。
「 浴衣が悪い 」
草太が不満そうに言うのがおかしい。
そういえば、浴衣で寝ると朝はいつもはだけて帯だけになってるって言ってたかも。
子どもみたいなことになる草太がおかしい。
お父さんの草太はきっとこんな姿を他の人には見せないよね、 僕の心はそのことに安堵する……
僕の前だけだ。
お父さんになんてならないで。
対等でいるために、君だけ先に行かないように、
つまんない僕はそんなバカな思いを捨てられない。
施される口付け、優しいハグ。
僕の何も身につけぬ肢体を愛する草太は僕の全て。
愛撫し合う、男どうしで絡め合う身体と心と、そして戯れに猛った同じ形をした性器。
草太はその熱いものを中に挿し入れる替わりに僕のものを丁寧にしゃぶりながら吸い上げる。
僕は身体の再奥を暴いてはくれないその舌の熱にしがみつく。
我慢できずに溢れた先走りが竿を滴り落ちると、
そのまま僕の逝ききれないくすぶるものを自分の一回り大きなそれと揃えて扱きだす。
障子に映る影を動物にするのと同じ違わぬ大人の男の掌と指で二人のものを昂めていく。
思いよぎる子どもの笑顔は残酷に僕の劣情を煽りたてる。
欲しいのに、どうしても口に出せない言葉。
僕を抱いて僕を侵して、
女のように……僕を愛して。
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