27 / 30
第28話
十一 、 川沿いの街で(1)
月曜日の昼休みにラインの音。
" 次の休み開けといて "
いつも草太優先のスケジュールを組んでる僕になんて失礼な、と思いながら
思わずムスッと返す。
" ちょっと予定表みてみる "
" 絶対にダメな用事以外は空けて "
しつこく言われるとそれはそれで嬉しい。単純な僕の気分。
なんだろう?誘いにしては強引ぽい。なんか困ったことでも起きたの?
その週はなんとなく休憩の度に気をとられる。気になるならラインすれば良いのだけど、生憎草太の最期のラインは、
" 今週は出張、それも部長のお供だから夜も多忙 "
とあった。
大方、夜の街の接待なんだろうな。
上司とだと朝から晩まで気が抜けないのは僕も経験でわかってる……だから連絡はしない。
なんとなく長く感じたその週。
土曜日の朝、草太からラインが入った。
" 昨晩遅く解放。今からそっちへ行くから "
明日会えるのに今日から来てくれるという文に有頂天になる。
恋人なら当然のこと、かもしれないのに、僕はまだそんな言葉にドキドキするんだ。
ともだちにシェアしよう!