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第11話

影絵 ベッド 11 さあ寝るかと布団を捲ると草太は僕の腕を引っ張った。 「 え?なんで、僕はこっちのベッドで 」 と言うと、 「 勿体ないぜ、セミダブルだし一緒に寝れば明日の洗濯はひと組ですむじゃない 」 僕の気も知らないで、さっさと片側に横たわるとふたつ並んだ枕をトントンと叩いた。あ、だから枕が湿るって言ったんだ。 どんな顔をしてたのか、顔を眺めて軽く笑った草太はベッドに入らない僕を強引に隣に引っ張り込むと、 「 ほら、あったかい……お前体温低いから冷えて一人じゃダメだろ、高い俺と一緒でちょうど良い 」 と背後からハグをしながら布団をかぶる。 残酷な草太、僕の気も知らないで、と言う代わりに出た言葉は、 「 僕は子どもじゃないから一人で寝れる 」 「 わかってるよ、大人の馳を抱いてるよ 」 欠伸を噛み殺しながら後ろで囁く言葉はきっと朝には覚えてないよね。 僕を抱きしめていた腕の力が徐々に緩む。あぁもっときつく抱いて欲しいのに。 真夜中を過ぎた波の音も遠のいた静けさの中、やっとやってきた睡魔に身を寄せて僕は恋する人の腕の中で眠りについた。

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