互いに互いの口の中を貪り合い、圭の膝の力が抜けていくのに合わせて、恭一郎も身体を床の上へと落としていく。 ついにはどちらも膝立ちになってキスを交わし、互いに互いの濡れた髪をかき乱しながら接吻を続けた。 それから、恭一郎は圭の下半身に手を伸ばし、物欲しそうに先走りを滲ませるそれをやんわりと握る。 そして自分の半勃ちになったペニスと合わせて手の内に収め、上下にゆっくりと扱き始めた。 「ぅ、あ……んっ、スゴ……恭一郎のも、おっきくなってる……ふぁ……」 たちまちのうちに濡れていくのは、きっと圭の亀頭からたくさんの先走りが溢れ出ているせい。 Ωの体液はαやβの比にならないほど潤沢で、だからこそ長時間のセックスに耐えられるのだと、どこかで読んだような気がする。 恭一郎は圭のペニスが手のひらの中で一層硬くなったことを確かめると、手の動きを速めた。 早くイかせてやりたい、自分も早くイきたい。 そんな思いが彼の手を激しく動かし、どちらの手も自由な圭が恭一郎の背に両腕を回してきた。 「あ、あ……あッ、イ、イく──っ！？」 「クッ──！？」 どちらも同時に達したかと思えば、圭はその場に仰向けに寝て、両脚をM字型に開いた。 後孔から愛液が滴り落ちているのが丸見えで、恭一郎はゾクリとするような、スリルにも似た興奮を覚える。 この男は俺のものだ──、そんな独占欲が強くなっていって、居酒屋での一件など脳内の遥か彼方に吹き飛んでしまっている。 恭一郎は圭の両脚の間に割って入ると、乳首を舌先で転がしながら、後孔の内側に指を挿し入れた。 「んッ、あぁん、もっと奥……触って……」 「クリトリスと前立腺、どっちがお望みだ？」 「どっちも……んぅぅぅ、あぁ、そこ……気持ちイイ……」 指で2つの性感帯を交互に擦ってやれば、彼はたちまちのうちにとろんとした顔を見せた。 恭一郎が「誰にも見せたくない顔」だと決意している表情で、ただでさえ美麗な圭の顔が全体的に薄桃色に上気している。 瞳を吸い寄せ、小さく開かれた唇が扇動する。 恭一郎は執拗に陰核と前立腺を擦り、時折内側で指をくの字に曲げながら、膣内を押し広げていく。 「あぁ、イきそ……」 「イけよ」 「なんか、冷たい言い方……けど、それがお前だもんな……んッ、ちょっと指抜いて……」 言われるがままに指を引き抜けば、圭は腰を震わせながら潮を吹く。 「あ、あぁぁんッ……あぁ……」 ピュッと吹いたかと思えば、次の瞬間更に大きい痙攣が襲ってきて、放物線上に大きく吹いた。 恭一郎が初めて見る、豪快で淫靡そのものの大量潮吹きだ。 「スゴ……こんなの初めてだ」 「俺も初めて見た。イヤだったか？」 「まさか……最高に気持ちイイ……でも、まだお前のでイってない……早く挿れろよ……」 頼まれてしまうと、もう前戯を続けることはできない。 圭は組み敷かれている側でありながら、性交の場での主導権を常に握っているのだ。 しかも、自分だけではなく、相手が満足するように色々な要求を突き付けてくる。 こんな相手を自らの意思で手放せるはずがない。 ましてや恭一郎は圭を愛しているのだから、淫乱さを見せ付けられればその分だけ愛が深まる。 「じゃあ、挿れるぞ」 つぷ──、と亀頭の部分を後孔にあてがい、少しずつ、壊さないように腰を沈めていく。 「んぁッ、早く……」 いくら後孔の内側が女性の膣と同じ造りであっても、男性Ωの後孔は女性の膣より遥かに狭いと聞く。 一気に根元まで挿入してしまったら、痛みを伴うだろうとネットに書かれていた。 「圭、少し力を抜いてくれ」 「ん……」 幾分か後孔内が弛緩すると、恭一郎は少し強めに腰を沈めた。 これでペニスの約半分が挿ったことになる。 そしてこれからが正念場だ。 前立腺と陰核を亀頭やカリで擦りながら最奥へと届かせなければならない。 さっき達して潮まで吹いた圭にとって、今この2つの性感帯への刺激は更なる快楽を引き出す要因にしかならないだろう。 「う、あぁぁぁ！？あ、だめぇ！？」 思った通り、2つの関門を通る間、圭は妖艶な喘ぎをこれでもかとばかりに放った。 同時にじわりと恭一郎の肉棒が圧迫される。 圭の腹の上では、一度萎えた性器から再び白濁が飛び散っていた。