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素直に問いかけてきた凛の耳元に顔を寄せると郷野は囁きかけるように回答した。 その内容に、凛は、涙が止まるくらいの衝撃を覚えた。 「そ、それは、ちょっと」 「嫌か」 「無理、無理です、普通に無理です」 「悪いな、藤崎」 凛はいとも簡単に郷野に持ち運ばれてマットの上に押し倒された。 独特の匂いが染みついた体育用品に生徒を寝かせた教師は一切無駄のない動きで乱れた肢体に覆い被さる。 「もう止められない。俺も無理だ」 鋭い双眸に真摯に見つめられ、熱を孕んでいつになく重たげな声でそう囁かれて、凛はどうしようもなくなってしまう。 初めて目の当たりにした、屹立した大人の有り様を、伏し目がちとなりながらも意識してしまう。 オレにあんなことしてる間、郷野先生、もしかしてずっと? 郷野は何度か自分で撫で擦って完全に勃ち上がらせたそれを後孔に浅く押しつけた。 僅かに滲み始めていた先走りを塗りつけるように。 硬く熱い鉛じみた感触に凛は全身を強張らせた。 同時に、これから始まろうとしている行為に心臓がうるさいくらい鼓動して、始まる前から目を回しそうになった。 「怖いです……先生……」 郷野は滾る下肢に理性が食い殺されないよう、獣性の本能と葛藤しながら、傷つけないよう凛をゆっくり抉じ開けていく……。

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