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「んっ……んっ、んく……っ」
無人の車が数台駐車してあるパーキングの片隅だった。
後部座席で郷野から後ろ抱きされた凛は、カーディガンの袖口で緩みがちな唇を押さえようとする。
薄い胸に片腕を絡ませていた郷野はそれを阻止する。
「お前の声、聞かせてくれ」
その片手は熱が集中した凛の性器をやや強めに握り締め、先端にかけて熱烈な愛撫を捧げていた。
「せんせ……っ」
開放されたチェックのスラックス前。特に制服を脱がされるでもなく、黒のジャージを着たままの郷野に追い上げられていく。
狭い車内は自由が利かないものの衣擦れの音が余計に響いて興奮を煽る。
不自由を強いられたシートの上で郷野にじっくり愛撫されて、凛は甘い声をぽろっと零した。
「オレ、どうにかなりそう……」
「……俺もだ」
「……本当? 先生もオレと同じ……?」
薄闇の中で吐息を交わしながら郷野は凛を見つめた。
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