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伏し目がちでいた凛は瞼で遮断しかけていた視線をおずおずと紡いだ。 緊張でぼやける視界にベッドに腰掛けた郷野の後ろ姿が写り込む。 視線の先で彼はパーカーを、七分袖のシャツを立て続けに脱いで、縋り甲斐のある広い肩と背中を露にした。 「……先生……」 再び真上に戻ってきた郷野にキスされ、あの荒々しかった車中での口づけを思い出して、凛は一瞬身構えたが。 「ふ……ぁ……」 甘い吐息が零れた。 切れ切れに水音を奏で、郷野は、唇伝いに凛に柔らかな微熱を注いだ。 「っ……ン……ぅ……っ」 いつにもまして細やかに動く教師の舌先に凛は身を揺らした。 裸の胸と胸が擦れ合う。 遮るものがなく、肌に燻る熱がダイレクトに伝わってきて、温かい。 「ん……ん、ん……」 すごく……先生の舌……優しくて、やらしい……です。 こんなキスされたらオレもう……。 「やらしい」キスをしながら、郷野は、凛の体の線に沿って掌をスライドさせていく。脇腹から腰、太腿、そして内腿へ。 続いて唇も同じルートを辿らせていった。 「ぁ……っ」 内腿にまでキスされて凛はぴくんと震えた。 「せ、せんせ……」 突然、郷野は無駄のない身のこなしで床に下りた。華奢な肢体をシーツ上で滑らせるようにして引き寄せると足を緩く開かせる。 そのまま凛の先端を浅く口にした。 「んっ」 生温く湿った舌に纏わりつかれて凛は声を詰まらせる。割れ目を抉るように数回舐められると下唇をきゅっと噛んだ。 「……声、我慢するな」 「で、でも……」 「ここは学校や車の中じゃない。感じたいように感じろ」 「そ……そんなこと言われても、っ、ぁ」 郷野は凛の性器を根元まで咥え込んだ。 湿り渡った口腔の微熱に包み込まれたかと思うと、水音の行き交う濃厚な口淫が開始された。 凛は小さな悲鳴を上げた。 郷野相手に何度か経験したとは言え、まだまだ初心な体の許容範囲を明らかに超えた舌遣い、その激しさに、四肢がぶるぶる痙攣した。 咄嗟に身を引こうとしたが、郷野に両方の太腿を抱え込まれて身動きがとれない。 「っぁっぁっ……せんせ、やだ……っこんなの、だめです……っ」 以前、放課後の体育教官室で凛に拒まれると、愛しい生徒の願い通り郷野はこの行為を中断してやった。 しかし本日の郷野は止まるどころか、むしろ加速した。 何度も頭を上下させ、先端から根元まで、性器全体を舌尖で巧みに刺激し、執拗な唇を決して離そうとしなかった。 「やっ……っ!」 郷野は容赦しなかった。 深々と凛を頬張って、わざと音を立て、吸い上げた。 「あ…………!!」 郷野の口の中で痛いくらい屹立させて、凛は、彼の舌の上で白濁を弾いた。 先生、怒ってるの……? ぼやける意識の中、凛の脳裏に、ふと不安が過ぎった。 「っ……あっ、あっ、あっ」 達したにも関わらず郷野の唇に未だ囚われたままの凛は限界まで胸を反らし、とうとう、涙した。 もちろん郷野は愛しい生徒が泣いているのにすぐに気がついた。 「藤崎」 「先生……もぉ、そんなの……やです、オレ……嫌……」 ベッドの上に戻ってきた郷野に対し、凛は、両腕で顔を隠した。 「オレ、ほんと……ごめんなさい、こんな子どもで……ぜんぜん……いつまで経っても慣れなくて……恥ずかしがって……」 「藤崎、俺はな」 誰よりもお前を感じさせてやりたい。 「俺の全てでよくしてやりたい」 「……」 腕の隙間から凛は郷野を見上げた。 「……そんなに泣いたら腫れるぞ」 涙を拭ってくれた郷野に見守られる中、たどたどしい動作で体を起こし、顔を合わせる。 泣きっぱなしの凛を案じて、郷野は、両方の瞼にキスを落とした。 ああ、気持ちいい。 先生がオレのそばにいる。 「藤崎?」 凛が姿勢を低くしたので郷野は珍しく目を見張らせた。 自分と同じ行為に及ぼうとしている、その構えに、心臓の裏が燃え上がるような錯覚を覚えた。 「オレも……先生のこと、よくしたいです」

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