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明かりのない暗い玄関。 奏でられる衣擦れの音。 足元に冷気が沈殿するそこで生徒と教師は唇を交わしていた。 「ん……ン……」 逞しい腕に抱き上げられてシンクの縁に座らされた凛は久しぶりのキスに身を委ねている。 明日に始業式を控え、早く帰るつもりでいた。 しかしいざ郷野と会うと離れるのが堪らなく惜しくなってしまった。 一方、郷野は、無防備に閉ざされた瞼を薄目がちに執拗なくらい見つめていた。 欲望に急かされた手が華奢な体を物欲しげに辿る。 カーディガンとシャツを捲り上げて素肌を欲してくる。 両足の間に割って入り、キスと愛撫の同時進行を巧みに仕掛けてきた郷野に、凛は慌てて目を開いた。 「っ……先生、ここ、キッチンです」 直に背中を撫で上げられてぷるぷるし始めた凛を郷野は甘噛みした。 柔らかな耳たぶに歯列を浅く埋め、緩々と噛み解す。病みつきになりそうな食感を心行くまで味わう。 「っ……っ……っ」 「別におかしくない」 「っ……? それ、どういう……」 郷野は生徒の耳たぶをゆっくり食みながら低く艶めく声を、その言葉を、薄闇に滴らせた。 「ここでお前を好きなように料理して食べる、何も間違ってない」 凛は見る間に真っ赤になった。 もう片方の耳たぶまで噛んできた郷野に、余念のない咀嚼に体の芯から発熱し、上擦った声を喉奥に滲ませた。 「残さず食ってもいいか、藤崎」 こんなこと言われ続けたらオレの心臓、壊れちゃいます、郷野先生。 「あっ」 さらに服を捲り上げ、外気に曝した凛の胸元に郷野は顔を寄せた。 次は淡く色づく突起に狙いをつける。 感触を確かめるように鋭く尖らせた舌で触れる。 隈なく唾液を馴染ませると上下の唇で挟み込み、ゆっくり吸い上げる。 「郷野、先生……っ」 後ろ手で上体を支えて必死で崩れ落ちないようにしている凛の胸元の尖りを……郷野は貪った。 「ッ、あ、っ、あ、っ」 つい十分前までは自宅へ送るつもりでいた生徒を玄関前のキッチンで欲望のままに食した。 ここぞとばかりに刺激されて硬くなった突起に休むことなく舌先を纏わりつかせ、舐め、啜り、色味が増して腫れ上がるまで攻め立てた。 次に郷野が及んだ、胸元への飢えた口づけと下半身への愛撫、その同時進行に凛の発熱は勢いを増した。 「ま、待って、先生、いきなりそんな……っ早いの……っ」 カーゴパンツのフロントを寛げ、取り出した凛の性器を規則的に擦り上げていた郷野の利き手が、不意に速度を緩めた。 大きな掌が根元から先端にかけて搾り上げるようにじっくり行き来する。 これみよがしに緩急をつけられて凛は首を左右に振った。 溢れ出した先走りの雫が五指に絡みついて音が立つようになると、首をすぼめ、上半身を支える両腕を痙攣させた。 「で……でちゃいます……」 「だしていい」 緩やかだった手つきが再び速度を上げた。 五指の輪で昂ぶる熱源を過激に摩擦する。 張り詰めた凛を速やかに解放へと導く。 「あっ、あっ、あっ……!!」 性感帯と化した突起にまで歯を立てられて凛は喉を反らした。 下半身を支配していた疼きが限界に達し、腹部を波打たせて、吐精した。 不要な力に漲って虚空で丸まった爪先。 緩んだ口元が甘い吐息でしとどに濡れる。 「はぁ……っ」 目尻に涙を溜めて大きく胸を上下させている凛に郷野は寄り添った。 「もう少し俺と一緒にいてくれるか、藤崎」

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