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みっきーの誕生日☆85
『え、森山さん?』
『こんばんは、光希さん。
お誕生日おめでとうございます』
森山さんはいつもの穏やかな笑顔を浮かべて
なおかつ、恭しく頭を下げてくれて
俺も慌てて頭を下げた。
『こ、こんばんは!
昨日は ありがとうございました!』
『いえいえ。またいらして下さいね。
では、ちょっと この荷物を車に乗せてきます』
荷物=酔いつぶれたお父さんたち・・・を
森山さんと、運転手さん それぞれが
(軽々と)抱え、一旦 外に出ていった。
その間に玲音と咲哉に事情を聞くと、
森山さんは別荘から俺たちを送り届けた後、
そのまま休暇をもらって、こっちにいたらしい。
───で、俺のお祝いに行ったまま
帰ってこないお父さんたちを
「おそらく飲んでいるだろう」と
推測して2人で迎えに来たんだそうだ。
別に、泊まってもよかったのに・・
なんて思っていたけど
『あの大きな車を朝まで路上駐車してたら
ご近所迷惑になりますからね』
戻ってきた森山さんに言われて
なるほど~、と納得した。
てきぱきと脱いだ服や革靴を袋にまとめ
帰る準備をすっかり整えた森山さんが
玲音と咲哉を振り向いた。
『玲音さんと咲哉さんはどうされます?』
『んー?ホントは泊まりたいけどね・・』
『この格好だしな・・帰る事にするかぁ』
2人は白いスーツを見下ろし残念そうに呟く。
・・・・ほぇ?
め・・・珍しい・・・
いつものコイツらなら格好なんて気にもせず
俺のベッドが狭くったって
そんなの関係な~い!って
感じで強引に泊まってきそうなのに・・・・
『寂しい思いさせて ごめんね?みっきー』
『明日の朝、迎えに来るからな、みー!』
考え込む俺を見て、何か勘違いした2人が
抱きついてきた。
『───はぁ!?
べ、別にっ///!?寂しくないし///!』
(だって明日も会えるし!)←本音
『え~??ホントにぃ~?』
『寝るまでいてやろうか?』
『───は、はははぁ!?
い、いいっ!!早く帰って寝ろっ///!』
(んで、朝 早めに来い!)←本音
『んふ。人前だからって照れちゃって~♡』
『そんな みーも 可愛くて 大好きだぞ~♡ 』
『可愛いです、光希さん』←森山さん
『ええ。本当に可愛らしい』←運転手さん
『・・・・・・え・・////いや、あの・・・・////』
『照れなくても大丈夫ですよ』
『寂しい気持ち、分かります』
『・・・・・・・・っ・・・・/////』
な、なんで・・・・?
俺の考えてるコトって
みんなに筒抜けなの・・・・??
なんで???
『あはは。かわいー♡』
『はは。かわいいな♡』
『う、うっさいなっ///!もう帰れっ///!』
俺はニヤニヤ笑ってる2人の背中を
グイグイ押して、家から追い出し
すぐに鍵をかけた。
『ああ・・・もう・・・・・・』
疲れた・・・・・・
もう部屋に行って寝よう・・・・
あ、そうだ。
2階に上がる前に・・・
一応、和室を覗いて見てみると
父さんと母さんが お客用の布団に並んで
寝かされてるのが見えて一安心。
よし、寝よう!
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