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目立つから・・・・
車の中、
流れる外の景色を ぼんやりと眺める。
もうすぐ着くな。
・・・・あ、そうだ!
玲音と咲哉に言っておかなきゃいけない事が あったんだった・・・ !!
『おい、お前ら。頼むから、学校で
俺に話しかけんなよ !?』
『『え !?なんで ??』』
ビックリしたように俺を見る2人。
なんかショックを受けてるみたいに見える。
『なんでって・・・・・・・』
『せっかく つきあい始めたのに?』
だって・・・目立ちたくないし・・・。
この2人と居ると、間違いなく 目立つ。
だから・・・・・・・困る。
『俺たちといたくないの !?』
『俺たちがイヤなのか !?』
『ち、違・・・っ!そうじゃなくて・・・
め、目立つから・・・・てか、つきあってるの
バレたら・・・俺じゃ不釣り合いだし・・・』
『みっきー・・・・』
『みー・・・・』
『・・・・・・・・・・・ん?』
『『かわいいっっ!!』』
キラキラの笑顔で 2人が抱きついてくる。
『ぎゃ・・・・っ!な!な !?なにっ !?』
なんで、今のがかわいいんだよっ !!
分からないっ!
コイツらの感覚が・・・分からない!
『ああもう ホントにみっきーってば!』
『マジでなんで そんなに可愛いんだ!』
『・・・・・・・か、可愛くない!
と、とにかく、学校では俺に・・・話し掛けんなよな?』
『目立つから?』
『バレるから?』
『そ、そう言ってるだろ?』
『『えー・・・・・・。』』
しょぼん・・・とする2人には悪いけど。
ごめん、これだけは譲れないんだ。
『あ。着いた。』
車は学校から少し離れた路肩で停まった。
『俺、先に行くな。』
誰も居ないのを見計らって外に出る。
ドアを閉めて 歩きだそうとした時、窓が開いて玲音が顔を覗かせた。
『みっきー。』
『な、なんだよ?』
『みっきーの心配事なんだけどね?
多分、大丈夫だと思うよ?』
『え?・・・・どういう事?』
『ふふ。じゃあ、後でね。』
意味深な微笑みを残し、窓が閉まる。
『・・・・・・・・・・・?』
なんだ? 今の・・・・・。
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