162 / 700

ごまかせない。

『あ!あの・・・っ !!これは・・・あの・・・・』 ダ、ダメだ・・・・・・! 言い訳とか、何にも浮かばないっっ !! 『・・・・・・みっきー?』 『・・・・・・みー?』 冷や汗が背中を伝う。 どうしよう・・・・ どうしよう・・・・・! 何か言わなきゃ・・・! 誤魔化さなきゃ・・・! 『あ、あのな・・ !?その・・・これは・・・・ その・・・!・・べ、別に お前らに会いにとか・・! か、顔だけ見に来た・・・・とかっ !? そ、そんなんじゃないんだからなっ !? ・・・・その・・・・その・・・・か、勘違いすんなよなっっ!!』 『・・・・・・・・・え?』 『・・・・・・・・・え?』 『・・・・・・・・・え?』 あ・・・・・。 ち、違う─────っっ!! 全然、誤魔化せてないっ! バカ! 俺のバカ・・・・・ !! 『え?俺たちに会いに来たの?』 『なにっ !? 会いに来たのか!』 2人の顔が、ぱあぁーと輝く。 眩しいほどのキラッキラの笑顔。 『いや、だから!・・・ち、違・・・・う・・っ !?』 一転、いきなり目の前が真っ暗になった。 え。 なにこれ? なに・・・・って、く、苦しい・・・・ !? 『う、嬉しい・・・・・・嬉しいよぉ・・・っ』 『みーが会いに来てくれるなんて・・・』 『・・・・・・・・っ !!』 この苦しさ、この締めつけ・・・玲音と咲哉に抱きしめられてるんだな。 ん? 抱きしめ・・・られてる? 抱き・・・・・・ !? ぬわあぁ ────────── っっ !! ダメだ ダメだ ダメだ !! 『バ・・・・、バカ・・・・離せっっ !!』 『んー?やだ♪』 『離さない♪』 『離せって・・・!目立つ!バレる!』 それはイヤだ・・・・・・・・っ !! やっぱり俺は、 地味に ひッそり生きたいんだーっ !!

ともだちにシェアしよう!