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筆攻め☆16
『ほら、ここここ~♪』
くるくる
くるくる
楽しそうに筆を走らせる玲音。
すると・・・・
『う・・・・う"?・・・ぐ・・・ぐお~・・・・』
ライオンみたいな唸り声とともに
咲哉の足の指がピクピク動きだし
ピーンッと伸びて固まった。
『・・・・ぷっ』
思わず笑ってしまう俺。
それを見た玲音も楽しそうに笑った。
『ふふ♪楽しいね♪』
『う、・・・・うん』
『ふふっ♪もっと やっちゃお~♪』
『・・・・うんっ』
くるくる
くるくる
反対の足も同じように くすぐる。
───と、
『う"?う"う・・・・う"う"う"・・・・・・・・
・・・・うぐああぁぁぁぁっっ!!!』
突然、部屋中に響き渡る雄叫び・・・・
───と同時に咲哉がビョーンッと
ベッドの上に立ち上がった。
『なんだっ!?なんだっっ!!
なにが起こったぁぁぁーっっ!!!』
『───わっ、うわーっっ!!』
い、いきなり・・・
いきなり起きるなよっっ!
めっちゃ
ビックリしたじゃんかっっ!!
『なんだ!なん・・・、──って・・・・ん?みー?』
『あ・・・・っ、あ・・・・、お・・おはよ・・・っ・・・!』
『ああ・・・・おはよう。
んー。なんだ?
なんかスッキリせん目覚めだなぁ・・・・
なんか、こう・・・・足が こそばゆくて・・・・
・・・・・・・・・・・ん?なんだ?みー、その筆・・・・』
『・・・・へ!?・・・・えぇ?!な、なんでっ!?』
さっきまで玲音が持っていた筆が
なぜ、俺の手に・・・・!?
これじゃあ、まるで・・・・
『・・・・・・・・んー?・・・・・・まさか・・・・みー、
これで・・・・・・・俺を?』
(野生の勘?で)なにか察したらしい咲哉が
ジリジリと近づいてくる。
『・・・・・・・・っっ!!』(ぞわわっっ!!)
うはーっっ!ヤバいっ!!
なんかヤバいっっ!!!
すっげー 怖いっっ!!
すっげー ヤバいっ!!
『ち、違・・っ!違うっっ!!
こ、これは、その・・・れ、玲音がやろうって・・・』
『・・・・玲音?』
『そ、そう!玲音が・・・っ・・・・』
『ほぉ。で、その玲音は どこにいるんだ?』
『────────へ?』
咲哉の言葉に、慌てて後ろを向けば・・・・
そこにあるべきハズの玲音の姿は なかった。
『・・・・・・・あ、あれ? 玲音・・・!?』
つい さっきまで そこにいたのに・・・
『この部屋には みー しかいないようだけど?』
『─────へっ!?い、いや・・・・、え?あれ?』
キョロキョロ周りを見渡すものの・・・・
マ、マジでいないっっ!?
いつの間に消えたんだ・・・・っ!?
ウソだろーっ!?
なんで俺ひとりでやったみたいになってんの!?
イタズラの張本人、どこ行ったーっっ!!
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