165 / 700
さらっと。
『じゃあな。』
と、固まる俺を置き去りにして、男子生徒は、ひらひらと手を振り 背を向けた。
・・・が、何かを思い出したらしく、くるりと振り向き、そして・・・何故か 俺を見た。
『・・・っ・・・・・・ !!』
お、俺・・・・・・・っ !?
『あー・・・、佐野山。』
やっぱり・・・・俺っっ !!
やっぱり・・・、
やっぱり、なんか言われちゃうぅ・・・っ !?
男同士なんて変だ、とか?
3人なんて おかしいだろ、とか?
あと・・・・ふ、不釣り合い、とか !?
ど、どどどどうしよう・・・・!
どーしよーっ !!
い、言い訳・・・・っ!
なんか言わなきゃ・・・っ!
なにか言わなければーっっ !!
『えーと、佐野山?』
『・・・・・な!ななななんでしょ──っ !?』
あわわわ!
どうしよう!どうしよう!
なんも浮かばーんっっっ !!!
『佐野山・・・っ!』
『うや!は・・・ははははいぃ・・・っ !!』
ドキドキして、ドキドキしすぎて、思わず、玲音と咲哉の袖を ギュッと握りしめ、ゴクリと唾を飲み込む。
すると・・・・男子生徒は、
『お幸せに~♪』
さらっと言うと、親指をグッと立て それはそれは爽やかに笑う。 そして、今度こそ 教室の中へと消えていった。
『・・・・・・・・・へ?』
お、お幸せ・・・に・・・・?
って・・・言った?今・・・。
さらっと言われたけど
お幸せに・・・・・・・・?
って事は・・・・・・
どういう事?
一体 何がどうなってんの?
ともだちにシェアしよう!