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さらっと。

『じゃあな。』 と、固まる俺を置き去りにして、男子生徒は、ひらひらと手を振り 背を向けた。 ・・・が、何かを思い出したらしく、くるりと振り向き、そして・・・何故か 俺を見た。 『・・・っ・・・・・・ !!』 お、俺・・・・・・・っ !? 『あー・・・、佐野山。』 やっぱり・・・・俺っっ !! やっぱり・・・、 やっぱり、なんか言われちゃうぅ・・・っ !? 男同士なんて変だ、とか? 3人なんて おかしいだろ、とか? あと・・・・ふ、不釣り合い、とか !? ど、どどどどうしよう・・・・! どーしよーっ !! い、言い訳・・・・っ! なんか言わなきゃ・・・っ! なにか言わなければーっっ !! 『えーと、佐野山?』 『・・・・・な!ななななんでしょ──っ !?』 あわわわ! どうしよう!どうしよう! なんも浮かばーんっっっ !!! 『佐野山・・・っ!』 『うや!は・・・ははははいぃ・・・っ !!』 ドキドキして、ドキドキしすぎて、思わず、玲音と咲哉の袖を ギュッと握りしめ、ゴクリと唾を飲み込む。 すると・・・・男子生徒は、 『お幸せに~♪』 さらっと言うと、親指をグッと立て それはそれは爽やかに笑う。 そして、今度こそ 教室の中へと消えていった。 『・・・・・・・・・へ?』 お、お幸せ・・・に・・・・? って・・・言った?今・・・。 さらっと言われたけど お幸せに・・・・・・・・? って事は・・・・・・ どういう事? 一体 何がどうなってんの?

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