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2人の元へ。
怒りを胸に、隣のクラスへ向かう。
『玲音ぉっ!咲哉ぁっ!』
バーンッと扉を開け、中を見回す。
いた・・・・・・・っ!
教室にいたヤツらが驚いて俺を一斉に見たけど、そんな事は どうでもいい!
ズンズンと2人の方へ歩いていく。
『あれ、みっきー ♪ 』
『おお、みー ♪ 』
2人は嬉しそうに カバンを手に 近づいてくる。
いつものように 抱きしめようと伸ばしてきた手を、思いっきり叩いて 詰め寄る。
『お前ら・・・・どういう事だっ!』
『え?なになに?どうしたの?』
『なんだ?どうした?みー。』
不思議そうに俺を見る2人。
怒りをぶつけるため、大きく息を吸い込んだ、まさに その時・・・
『あれ?なんか怒ってる?みっきー。』
『え?怒ってるのか?みー。』
のほほーんと 間延びした声に遮られる。
『へ?そ、そうだよ・・・・!あのな・・・』
『あはは。怒ってる みっきーも可愛い~ ♪ 』
『ははは。怒ってる みーも可愛いな ♪ 』
人の話を聞かない2人は、何故か ニコニコ嬉しそうに抱きついてくる。
あまりに素早い動きに、抵抗も出来ず 気がついた時には すっぽりと2人の胸に収まっていた。
『へ?お、おい・・・!ちょ・・・っ、こら!』
な、なんだ?
なんのスイッチが入ったんだよ・・ !?
もがいて暴れるけど、力で敵う訳もなく びくともしない。
『お、おい!離せ・・・!』
『可愛い~ ♪ 』
『可愛い~ ♪ 』
離すどころか、ますます抱きつく力が強くなる。顔を ギュウギュウ 胸に押し付けられて、うまく息が出来なくなってくる。
『・・・・ちょっ・・・く、くるし・・・・っ !!』
『可愛いよ~ ♪ 』
『可愛いな~ ♪ 』
く、苦しい・・・・・っ!
苦しいって・・・!
頭が くらくら してきた。
もう、
もうダメだ・・・
そう、思った時、
『おい。そのくらいにしとけ。』
と、誰かの声が聞こえてきて・・・やっと体が離れた。
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