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文化祭☆15

そして、いよいよ迎えた文化祭 当日。 いつもより早めに家を出て 学校に着くと、 まず見えるのは校門に設置されたゲート。 昨日、最後の仕上げで、大谷くんと2人で色とりどりの風船をたくさん貼り付けた。 ふっふっふ。 目立つし、キレイだし、 すごくいい出来 ♪ 立ち止まって 感慨深く眺めていると、後ろから 『おはよー!みっきー!』 『おはよう!みーっ!』 玲音と咲哉が 抱きついてきた。 『お、おはよ。玲音、咲哉。』 2人とも 祭り当日だからか、朝からテンションが高い。 『もう!昨日はみっきーがいなかったから すごく寂しかったんだよー!』 『昨日もうちに泊まればよかったのに みー、家に帰るから・・寂しかったぞ!』 ・・・と、さらに ギュウギュウ抱きついてくる。 『あ・・・うん、あははは・・・ごめん・・・』 もし泊まってたら・・・・ 大事な文化祭当日に動けなくなりそうで怖かったんだ、とは言えず、とりあえず笑ってごまかした。 2人もそれ以上 深くは追求せずに、一緒に校舎に向かって歩き始める。 『あ~楽しみ!チョコバナナ ♪ 』 『俺も~!買いに行くからな!』 『うん。俺も行く、仮装喫茶店。』 実は俺・・・・・、2人がなんの仮装するのかは聞いてないんだよな。 前に、男子は女装するって言ってたから 女装なのかな? どんなの着るんだろ。 2人なら何 着ても似合いそうだけど・・ 楽しみにしとこ。 『じゃあね~、今日は楽しもうね!』 『迎えに行くから一緒に回ろうな!』 『うん///』 あっという間に教室の前に着いて、名残惜しく もう1度 抱きついてきた2人と手を振って別れた。 教室のドアを開けながら、ふと気づく。 そういえば・・・俺ってば 学校の中で 他の生徒もいる中で 2人に 抱きつかれる事に ほとんど抵抗を感じなくなってる・・・・・気がする・・・。 それがもう「普通」になってる・・・。 慣れって怖いな・・・・。

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