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文化祭☆20
『こら!佐野山が困ってるだろ。』
『あはは。はーい!』
『はは。悪い悪い。』
男子生徒に睨まれ、 素直に離れる玲音と咲哉。
た、助かった・・・・。
『まったく・・・
ちょっと目を離すとお前らは・・・。』
『だって、みっきーが可愛いから!』
『そうだ!みーが可愛すぎるから!』
そう言って、またしても抱きつこうとする2人を持っていた扇子で ベシベシッと叩く男子生徒。
『いたーい!』
『痛いぞ!』
『いい加減にしろ。早く中に入って準備!』
と、玲音と咲哉の腕を引っ張り、強引に教室の中に入れてしまった。
『ほら、今のうちに佐野山も戻った方がいい。もう始まるよ?』
『あ・・・、う、うん!ありがとう///』
『え!みっきー行っちゃうの?』
『なに?まだ充電が・・・・!』
また俺に向かって突進してくる2人を、男子生徒が羽交い締めにして阻止する。
『もうダメ!時間切れ!』
『あはは・・・じゃあ2人とも、また後で・・・』
俺も、男子生徒に協力すべく 2人に手を振り扉を閉めた。
『もう!もうちょっとだったのにー!』
『力が出ない・・・あー、充電不足だ・・・』
『文句 言わない!』
中から玲音と咲哉、そして今回も助けてくれた救世主・・・男子生徒の声が聞こえてくる。
『ぷっ・・・・・』
あはは、面白かった。
なんか、元気 出た。
いつも助けてくれるあの男子生徒・・・・
あ!また、名前 聞くの忘れちゃった!
『・・・・・ま、いいか。』
後で、玲音と咲哉に聞こう。
いつか ちゃんと お礼を言わないとな。
会いに行ってよかった。
充分、充電した俺は
ウキウキと軽い足取りで自分の教室に戻った。
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