302 / 700
文化祭☆27
『チョッコバナナ ♪ 』
『チョコバナナ~ ♪ 』
チョコバナナを掲げ、スキップしながら歩く2人。
くそぉ・・・////
さっきまで ただのチョコバナナだったのに・・・
今なっては、もう・・・・ただのチョコバナナじゃない・・。
恥ずかしいったらありゃしない。
こうなったら、あの恥ずかしいチョコバナナを早く、抹消せねば。
この世から消してしまわなければ!
『あ、あの・・・そろそろ食べない?』
『ん?そうだね!食べよっかー。』
『そうだな。そろそろ食うか。』
思ったより すんなり2人が頷いて、ホッと息を吐き出し、着いていく。
少し歩いた先にある自動販売機の前のベンチ。
『みっきー、座って座って ♪ 』
『ほら。みー、座れ 座れ ♪ 』
そこに座らされた。
・・・・俺だけ。
2人は俺の前に立つ。
ニッコニコの笑顔で。
・・・・ぞくり。(再び)
『ふふ、みっきー ♪ 』
『ふっ、みー ♪』
『・・・・・・・・???』
な、なんだ・・・・?
なんか、ちょっと怖いんだけど・・・・。
『はい、あーん ♪ 』
なぜか 、玲音が自分のチョコバナナを俺に差し出す。
『・・・・・・は?』
あーん?
なんで?
『いや。俺、自分のあるし・・・』
『いいから ♪ いいから ♪
はい、あーんして?』
『だから、なんで・・・・』
納得がいかず、文句を言おうとした・・・その時、玲音の目が みるみる潤んでいく。
『みっきぃ・・・お願い・・・・・』
『・・・・・・・っ 』
捨てられた仔犬のような眼差し。
う・・・・・・!
『みっきぃ・・・・・・』(うるうる)
うう・・・・!
だ、騙されるな、俺・・・!
今までの経験上、これは罠だっ!
罠なんだ・・・!
(多分・・・・・!)
ともだちにシェアしよう!