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文化祭☆31
秘密のみっきーファイル?
『おい・・・・・』
聞こえてきた怪しげな単語に、
俺は ゆらり と立ち上がった。
『ん?なに?みっきー。』
『【秘密のみっきーファイル】
って、なんだ・・・・・?』
『ん?その名のとおり、
秘密のファイルだけど?』
詰め寄る俺に、玲音は「何 言ってるの?」とでも言いたげな顔で 俺を見る。
ちなみに隣にいる咲哉も、だ。
だけど、
俺が聞きたいのは そういう事じゃない!
『だから・・・・なんなんだ!秘密って!』
ここ!(←重要!!)
怪しい!
怪しすぎる!
『えー?えっとね~、みっきーの寝顔とか
みっきーの寝相とか?
あと、みっきーの寝姿とか、だね ♪ 』
『・・・・・だな ♪ 』
『言い方変えただけで全部、
寝てる時のじゃねーか!』
『そうなんだよ!
だから、カメラ目線のみっきーは
超レア物なんだよー!ね、咲哉?』
『そうそう!超レアなんだぞ?』
『・・はいぃ・・・?』
何 言ってんの?
っていうか・・・俺の知らない間に、勝手に写真を撮ってたなんて・・・・////!
アホか!コイツら・・・!
「今すぐ消せ!」と、言おうとした俺に
玲音と咲哉は スマホを大事そうに胸に抱いて 俺を見た。
『ぐすん。みっきーが俺たちの前で見せる無防備な姿が嬉しくて・・・・』
『うう。気持ち良さそうにぐっすり 眠ってくれる みーが可愛くて・・・・』
『・・・・・え?』
『会えない夜は この写真を見て、寂しさを紛らわしてるんだ!』
『この写真で 心を落ち着かせてるんだ!』
『・・・・え?は?・・・え?』
『だから、消せ!なんて言わないでー!』
『これは俺たちの宝物なんだーっ!』
2人して 泣きついてくる。
え・・・・・、えーと・・・・・
そうなの・・・・?
え、どうなの?これ。
いいの?これ。
思いもよらない反応に戸惑う俺。
2人の男に泣きつかれている俺を、通りすがりの人たちが不思議そうに チラチラ見ていく。
『うえーん!お願いぃぃ!みっきー!』
『うわーん!後生だ!みーぃぃ!』
うえーん?うわーん?
・・・・・後生?
どんどん大袈裟に なっていく2人。
まるで、コントだ。
その証拠に 中には、立ち止まって 俺たちを指差して笑ってる人もいて・・・。
目立つ。
とにかく、目立つ。
『わーん!みっきぃぃー!』
『うぉー!みーぃぃー!』
『・・・・・・・・っ/////』
集まる視線に、居たたまれなくなる。
く、くそぉ・・・・////!
ど、どうすりゃ いいんだ・・・・・!
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