687 / 700
けじめ。
『式って・・・・・・・・・結婚式ってぇぇ・・・・・・!
なに・・・・それぇ・・・・・・・・・』
なんなの、いきなりの この展開・・・・っ!
なんで俺だけ知らないのっ?!
いっつもいっつも俺だけ・・・
俺だけ・・・・・
もう、勘弁してくれ・・!!
────なんて
さすがに母さんに怒鳴るワケにもいかず
悟りをひらいた ( というか諦めた ) 俺は
脱力して、テーブルに突っ伏した。
そんな俺を見た母さんは席を立ち
そっと俺の大好物、ホットココアを淹れてくれて・・・
荒んだ心が少し癒えた。
ああ、優しい♡
さすが俺のツボを心得てるぅ・・♡
やっぱり母さんは俺の母さんだぁ
なんて
しみじみ思ったりして
甘いココアと甘いクッキー ( 顔なし ) で
暫しティータイムをして、仕切り直し
俺は謎の「結婚式」の経緯を聞くコトにした。
『───で、なんで結婚式?』
『うん、あのね?光希も来年は3年生。
1年なんて あっという間で、すぐ卒業でしょ?』
『・・・え?あぁ・・うん・・そうかな・・?』
『で、卒業したら、ウチを出て
玲音くんと咲哉くんと 一緒に住むのよね?』
『え・・・・・・えーと、う、うん・・・////』
『・・・・でしょ~?だからよ~♪』
『・・・・・・・・・え?』
だから?
だから・・・・・・
だから、なんで結婚式??
『だから~。卒業して、ウチを出ていったら
光希、そのまま戻ってこないでしょ?』
『え・・・・?あ、えーと・・そ、そう・・・・かな?』
『でしょ~?だ・か・ら~
あなた達3人が地元を離れる前に
きちんと けじめをつけるため、
結婚式をする事に したのよ~♡』
『し、したのよ~、って・・・・・・』
『だって、ずっと 一緒にいるんでしょ?』
『・・・・・・・う・・うん・・・・・・////』
『それって、婚姻届はださないけど
結婚するのと同じでしょ?』
『・・・・・う?・・・・うん・・・・・////』
う・・・・・・・・・/////
改めて言われると
なんか恥ずかしい・・・・・・・////
『だから、けじめよ、けじめ。
まあ、あんた達のためっていうのもあるけど
半分は私達、親のためでもあるの。』
『・・・・・・・・・』
『まあ、その半分の8割は お父さんを納得させるため
なんだけどねー。』
『あ、あぁ・・・・・あはは。』
『あー、まさか息子を
嫁に出す日がくるなんてねぇ・・・』
『・・・・・っ・・・・っっ、そ、それは・・・・・・・・・!
ご、ごめんなさい・・・・・・・・・/////』
それは俺も予想外・・・
まさか・・・・
まさか・・ねぇ・・・・
『いいのいいの。光希が幸せなら、それで♪』
『・・・・・・う・・・、うん・・・・ありがと・・・・・////』
『じゃあ、式場のパンフレット見て
光希も どこがいいか選んどいてね♪』
『・・・・・・・あ、うん。』
『お母さんは式までに引き出物のクッキー、
完璧な出来になるように練習するから!!』
『・・・・あ・・・はは、うん。』
ここで、お開き。
俺は大量のパンフレットを手に
2階の自室へ戻る。
そっか、
けじめ・・・・・
けじめ、かぁ・・・・・
なるほど。
ま、まぁ・・・
それはそれで いい・・・・・・・
ってコトにしよう
(もう決まっちゃってるし)
問題は・・・・・
なんで・・
なんで、そんな大事なコトを
俺抜きで 勝手に進めてんだ、アイツらっ!
そこは納得できない・・・っ
つーか、
ちっちゃくなったり
帰りの車の中で盛ってる時間があったら
話せっつーのっっ!!
もーっっ💢!!
アイツらめぇぇ・・・・・・
許さんっっっ!!
明日、会ったら けっちょんけっちょんの
メッタメタにしてやるかんなぁぁ💢💢!!
───って
どうせ怒ったトコロで
うまいコト 丸めこまれちゃうんだろうけど、さ。
ともだちにシェアしよう!