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動物園デート☆3

世界の猛獣エリアは、ライオンにトラ。 ホワイトタイガー なんかもいて。 迫力満点で見応えあり! ・・・って、ものすごく期待したのに、ほとんどの猛獣たちは、ごろごろ寝そべって お昼寝中。 猛獣というより 猫みたいだった。 まぁ、それはそれで可愛かったけど。 その後は、フラミンゴやチンパンジー、ニホンザル、他にも色々 見て回り、ちょうど中間エリアにある 憩いの広場へと やって来た。 そこの軽食コーナーで お昼を済ませ、次に進むべく のんびり歩きだす。 周りを見れば、広場には持参のお弁当を広げてる人たちが結構いて。 『俺たちも お弁当 作ってくればよかったね~。 』 『ああ、そうだな。次は 絶対そうしよう。 』 『あ・・・じゃあ、俺も手伝う!』 そんな事を話していると・・・・前から 何かが 飛んでくるのが見えた。 『ん・・・・・?』 『なんだ?』 ふわふわと、風に舞いながら 飛んでくる物に目を凝らすと・・・それは。 『・・・・・・・・・・・帽子?』 『ああ・・・ありゃ子供用だな。』 『あ・・・、風で飛んじゃったんだ。』 『そうだろうな。』 『え~、大変!俺、取ってくるね!』 玲音が 猛然と 帽子を追いかけて 走っていく。 『あ、じゃあ俺も・・・・』 行きかけた俺の腕を 咲哉が 引っ張って止めた。 『みー、ここは玲音に任せよう。』 『あ・・・・。う、うん。』 ・・・・そうだな。 俺の足じゃ もう追いつけないし。 そういえば・・・・ あの帽子は どこから・・・? ───と、帽子が飛んできた方を向くと、 今度は、クマのぬいぐるみを抱えた ちっちゃな子が こっちに 走ってくるのが見えた。 前を向いてはいるけど、どうやら何かに夢中で 走る先に立っている 俺の事は 見えてないらしい。 正面から ドンッとぶつかってきた その子は・・・「ふにゃん!」と声をあげ、その拍子に ぬいぐるみが 俺の足元に ポトンと落ちた。

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