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動物園デート☆4

「大丈夫?」と声をかけるより前に、 ぶつかった 男の子は、俺たちを交互に見上げて「ひっ!」と 息を飲んだ。 その表情は、驚いたって言うより 怯えてるって言った方が合ってるような・・・ ・・・・・・・ん? もしかして・・・・。 ぶつかった相手が 自分より大きくって、しかも男だったから、びっくりしちゃったのかな? 『ボク、大丈・・・・・夫?』 慌てて声をかけたけど 男の子は、俺の方をまったく見てくれない。目を見開いたまま、怯えたように何かをジーッと見ている。 その視線の先を追いかけていくと、そこにいたのは ・・・咲哉。 んん・・・? もしかして・・・・・ 今度は 男の子の前に立つ 咲哉を見てみる。 黒髪にメガネ、ポーカーフェイス。 そして・・・・マッチョ。 えーと。 これは、もしかしなくても・・・ パッと見、強面で ガタイのいい咲哉は 小さい子どもには 怖そうに映っているのかも。 そんな事を思った矢先、大きく見開かれた 男の子の目が みるみる潤んでいくのが目に見えて分かった。 ・・・・うわぁ!予感、的中っ !! な、泣いちゃうぅぅ・・・っ!! 「ふぇぇぇ」と泣き出しそうになった 男の子に俺は 慌てて しゃがんで声をかけた。 『ごめんねー、痛かったねー。 ボク、怪我してない?』 内心バクバクしながら “出来るだけ優しく”を心がけて聞いたつもりだった・・・けど、男の子は、泣きはしなかったものの 唇をキュッと噛んで俯いたまま 動かなくなってしまった。 『・・・・・・・・・・・っっ』 わー、どうしよう・・・ 俺の事も 怖いかな・・・!? 焦りつつ、背中を優しく優しく擦ってあげていると・・・やっと 男の子は 小さく コクンと頷いてくれた。 そこへ、荷物を抱えた男の人がバタバタと走ってきて、男の子のすぐ後ろで止まった。 『――すみません! うちの子が・・・お怪我はありませんか?』 パッと見、20代後半・・・・くらい?かな? とても 優しそうなお父さんって感じの人。 『いえ、大丈夫ですよ。 怪我してないよな?みー。』 咲哉に聞かれ、「うん」と頷く。 頷いた拍子に男の子が落とした ぬいぐるみが目に入った。 『はい、これ。こっちの子も、怪我はしてないみたいだよ~?』 しゃがんで 拾い上げ 砂を ぽんぽんと払って 男の子に差し出す。 『ありがとう!お兄ちゃん』 ぬいぐるみを受け取った男の子は やっと 可愛く ニコニコの笑顔を見せてくれた。 うわ・・・・・可愛い~! よかった・・・泣かせなくて。 ホッとした時。 『おーい!みっきー!咲哉ー!あったよー!』 飛んで行った帽子を手にした玲音が 戻ってきた。

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