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動物園デート☆12
『あー!見つけたっっ!』
思わず叫ぶと、前にいた 2人が振り向く。
男の子の手に ぬいぐるみは なく・・・
振り向いた その顔は なんだか悲しそうに見えた。
やっぱり探してたんだ・・・!
そう確信して 走る。
男の子も 俺が ぬいぐるみを持っている事に気がついたらしく 弾かれたように こっちに向かって駆け出してきた。
よっしゃーっ!
これは間違いないっ!
ぶつかる勢いで駆けてきた男の子を抱きとめ、ぬいぐるみを渡すと
『うわぁ!よかったぁぁぁ!』
ぬいぐるみを ギューっと抱きしめ、嬉しそうに ニッコリ笑ってくれた。
『ありがとうございます!どこかで落としたって言うから探してたんです!よかった!』
お父さんも 嬉しそう。
俺も自分の事みたいに嬉しい。
よかった・・・・。
『お兄ちゃん、ありがとー』
『どういたしまして~』
しゃがんで頭を撫でると、俺を見上げ
にっこり。その姿は まるで 天使。
あーっ!もーっ!可愛いーっっ!
なんて可愛いんだ、この子・・・!
それは 玲音も咲哉も同じだったようで
「可愛い・・・・」と呟いた後は さっきみたいにふざけたり からかったりする事もなく ただ立ってるだけだった。
純真無垢な天使に すっかり 毒気を抜かれてしまったらしい。
『・・・本当にありがとうございました。
2度も助けていただいて』
お父さんが 改めて 頭を下げてくる。
大人の男の人に こう何度も 頭を下げられるとこそばゆくなっちゃうな・・・・。
『あの!お礼に何か・・・あ、ジュース!
ジュース買ってきますので・・・ちょっと待っててください!』
『いえ!そんな!お礼なんて・・・・!』
慌てて 止めたけど、お父さんは猛ダッシュで走って行ってしまった。
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