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動物園デート☆15

ま、まさか・・・・! こんな小さな子が、 男どーしで恋人どーし !? いや・・・、 いやいやいや・・・! まさか・・・・まさかな! ない。 ないないない。 ははは。 そんな訳ないじゃーん。 一瞬、危ない思考に行きそうになって 必死に その考えを遮断する。 それから、心を落ち着かせるため、 大きく深呼吸した。 その時、 『あぁ!こら・・・!また お前はそんな事・・・ 人前で言っちゃダメだって~!』 『あ、お父さん。』 ジュースを手に お父さんが戻ってきた。 『すみません、うちの子が変な事を・・・・! 男の子同士なのに仲がよくて・・・ちゅーとか変な事・・・』 『変じゃないもん!ボク、まーくん好きだもん!』 俺たちにジューを手渡しながら お父さんは 男の子を叱りつける。 『男の子同士は恋人とは言わないの!』 『えー?でもね? お兄ちゃんたちも恋人どーしなんだよ?』 ──── ぎくっ! 男の子が 俺たちを 振り返る。 『・・・・・えぇ?』 お父さんも 俺たちを見てくる・・・・けど 『こらこら! お兄ちゃんたちを巻き込むんじゃない!』 すぐに 男の子のウソだと決めつけて怒り出す。 『でもぉ・・・・』 『でも、じゃないの!お兄ちゃんたちが恋人同士?3人で?そんな事ある訳ないでしょ?そんなの変なんだよ?』 『でもぉ・・・・・・』 『もう・・・お兄ちゃんたちは お前に話を合わせてくれただけだから。ホントは恋人同士じゃないの!』 『・・・・え・・・・そう・・・・なの?』 男の子が 今度は 悲しそうに俺を見てくる。 『・・・・・・・・・・』 なんか・・・・なんだろう・・・・ お父さんの言うこと聞いてたら・・・・ なんだか無性に カチンときた。 確かに、男同士で 3人で つきあってるなんて・・・普通じゃありえないけど。 そこまで否定しなくても・・・! 『──── 違います』 思わず 言葉が口から出た。 『え?・・・・・あ、ほらみろ!違うんだって』 お父さんが 「ほら!」って感じで男の子を見る。男の子は俯いて 何も言わなくなってしまった。 『違うのは お父さんですっ!』 男同士で・・・3人で・・・、 おかしいって分かってる。 だけど・・・・・だけど。 男の子の「好きなら恋人同士」の言葉。 シンプルだけど とっても大事なこと。 俺たちは・・・好きだから つきあってる。 好きだから、一緒にいる。 それだけだ。 『み、みっきー?』 『み、みー・・・・?』 玲音と咲哉が 心配げに俺の名前を呼んだ。 けど、2人に構わずに 俺はお父さんを真っ直ぐ見つめて 言った。 『俺たち、男だけど、3人だけど・・・つき合ってます。この子の言葉に付き合って「恋人だ」って言ったわけじゃない。3人だけど、恋人なんです』 言ってから、言ってしまってから あぁ・・・言っちゃった・・・・・ て、ほんの少しマズいな、って思わなかった訳じゃないけど。 でも・・・・今のやり取り聞いてたら 俺たち3人の「好き」って気持ちまで 否定されたような気がして・・・ 黙ってはいられなかった。 でも、まだ言い足りない。 驚きに固まるお父さんに、この際だからと 想いの丈をぶつける事にする。 『コイツら、マイペースだし、俺のことすごく振り回すし、家とか学校とか関係なくイチャイチャしてくるけど、それでも俺は咲哉と玲音が大好きなんで、―――――っ!?』 だけど・・・・俺の必死の訴えは 最後まで伝える事は出来なかった。 なぜなら・・・・・

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