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動物園デート☆24
3人、水色のお揃いTシャツを着て、手を繋ぎ、並んで歩く。
すれ違う人が、チラチラ 俺たちを見てる気がする(きっと気のせいじゃない)けど・・・なんか もう どうでもよくなってきて、むしろ 堂々と顔を上げて 歩く。
“ 旅の恥は かき捨て ”だ。
(旅ってほどじゃないけど)
あ、そうだ。
『・・・そういえば、さっきの・・・・そのトイレ・・・って・・・・・さ、玲音、いつの間に 外 行ったの?』
さっき聞けなかった事を玲音に 聞いてみる。
実は 地味に気になってたんだ。
『え?いつの間に、って・・・
みっきーが咲哉と シ始めた時だよ?』
玲音が 不思議そうに 首を傾げ 答える。
『・・・・・・・え?そうなの?』
『うん。俺、声かけたよ?ね?咲哉』
『ああ』
『え・・・・・・・・・・・・』
あれ?
マジで?
全然 気がつかなかった・・・・。
『まあ、みーは俺に夢中だったからな ♪
仕方ない、仕方ない ♪ 』
『ふふ、そうだね ♪ みっきー、気持ち良さそうだったもんね ♪ 』
『・・・・・・・っ・・・////』
う・・・・・・・・・・////
聞かなきゃよかった・・・・・・・
俺、すげー 恥ずかしい・・・・//////
『帰ったら、いっぱいシようね ♪ 』
『はは。今日も寝かさないぞ~ ♪ 』
『ア、アホ・・・ッ////!!
そんな事、でかい声で言うなっ//// !!』
『『はいは~い ♪』』
2人が、繋いだ手を 大きく 前後に振る。
それはそれは 楽しそうに。
はぁ・・・・。
ホント、コイツらは・・・////
・・・・・・・まぁ、いっか。
俺も楽しい・・・・し・・・。
・・・・なんて。
されるがままになっていたら、急に歩くスピードが上がった。
『───えっ !?えぇ?な、な・・・・っ !?』
もたつく足を必死に動かしていると、スピードに加え、目の前の景色が上下に揺れる。
2人が スキップを始めたからだ。
『おうち、おうち、みっきーとおうち~ ♪ 』
『おうちに帰ろう~ ♪ 』
『『おうち ♪ おうち ♪ 帰りましょ~ ♪』』
ご機嫌な2人はスキップに加え、歌まで歌い出す。
なんか聞き覚えのあるフレーズ。
見事なハモり。・・・・・デジャヴ・・・
『ちょ・・・///こら!は、早いって・・・!』
『おうち、おうち、みっきーとおうち~ ♪ 』
『おうちに帰ろう~ ♪ 』
『『おうち ♪ おうち ♪ 帰りましょ~ ♪』』
俺の声は届かない。
ていうか、
もう、動物も 見ていない。
スピードは増し、前を歩く人たちを華麗にすり抜け、どんどん追い越していく。
通りすぎた後、クスクスと笑う声が聞こえてくる。
『おい///こら!や、やめろぉーっっ/////』
“ 旅の恥は かき捨て ”?
そんなワケなかったぁぁぁぁーっ////!!
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