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クリスマスプレゼント☆1

クリスマスを間近に控えたある日の放課後の事。今日も平和に学校を終え、校門に向かって 1人 歩いていると、 『佐野山~!』 誰かに名前を呼ばれた。 『え?・・・・・・あ、』 振り向けば、それは玲音と咲哉のクラスの・・・・例のあの、命の恩人さん、救世主さんだった。 『今、帰り?つーか、1人なの?』 追いついてきて 隣を歩き出した救世主さん・・・いや男子生徒と まともに話をするのは、文化祭ぶりだ。 『あ、うん。今日は・・・・玲音と咲哉は なんか用事があるらしくて、俺 1人 』 そして、皆さん もう お気づきだろうが、 俺はこの命の恩人さん 救世主さんの名前を ・・・・未だに聞けていない。 中学校と違って、名札とかしてないもんなぁ。玲音と咲哉に聞いたって 「知らなくていい」「覚えなくていい」 とか なんとか言って 結局 教えてくんないし。 『そっか~』 『う、うん・・・・』 にこにこ笑っている男子生徒を ちらりと見て、なんとも居たたまれない気持ちになる。 あれだけ助けてもらってるっていうのに 名前も知らないなんて・・・・ でも・・・・・ でも、今さら聞けない・・・・ !! トホホ・・・・ 心の中で 色んな感情と もだもだ 格闘していると、 『佐野山・・・・大丈夫か?』 男子生徒が不思議そうに俺を覗き込んできた。 あ・・・・・あれ? もしかして、顔に出てた・・・? うわ・・・恥ず・・・・・////! 俺、超 変なヤツじゃん・・・! だけど、男子生徒は それほど気にはしてなかったらしい。 『なあなあ、じゃあ 今日って暇なん?』 と、あっさり 話題を変えた。 『・・・・・・・・・へ?・・・・え !? きょ、きょ今日?あ、 暇っ! すっごく暇ですっ!』 『・・・・そう? じゃ、ちょっと つきあってくんない? 買い物に。』 『え?か、買い物?・・・・俺と?』 『うん。1人じゃ ちょっとね。だから、 つきあってくれると助かるんだけど。』 『・・・・・・・・・・・・・』 助かる・・・・・、 助かる・・・・・ 助かるんだ・・・ ・・・・・・あっ! 待て!待てよ?これは・・・・・! いつも助けてくれる 救世主さんに 恩返し出来る チャンスなんじゃ !? よし!行く!行こう! 『あ、あの、俺でよければ・・・!』 『おー!サンキュー!じゃあ行こう ♪ 』 『うん!』 こうして、俺は 救世主さんと 買い物に行く事となった。 助けるどころか、自分の方が悩みまくる事になるとは思いもせずに。

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