362 / 700

クリスマスプレゼント☆3

『あ!これ!可愛い!』 『あ。ホントだ!』 『これは?』 『お、いいね!』 最初は順調だった。 何を見ても可愛いし、楽しいし、 クリスマス気分に浮かれ、次から次へと お店に飛び込み、文字どおり 片っ端から 見て回った。 そして、1時間後・・・・・ 『う─────ん・・・』 『う─────ん・・・』 俺たちは・・・ものすごーく悩んでいた。 『決まんないな・・・・・』 『決まんないね・・・・・』 『選択肢が多すぎるのも考えもんだよなー』 『だね・・・・・』 あと、予算ね。 これだっ!って物を見つけても 予想外に高かったり、値段が手頃だと 安っぽく見えたり。 なかなか 見つけられない。 俺は俺で・・・・2人分だし、 まだ、どんな物がいいのか目星もついてないし・・・・・・・どうすりゃいいんだか・・・。 悩んで疲れ、歩き回って疲れた俺たちは、 エスカレーター近くのベンチに座り込み、 2人して ボーッと宙を見つめる。 男子生徒が魂の抜けきった顔で、宙を見つめたまま 俺に聞く。 『なぁ、佐野山ってさ、今まで アイツらから どんなプレゼントもらった?』 『・・・・・え?』 『いや、参考になるかな・・・って・・・』 『ああ・・・なるほど。』 プレゼント・・・・・ プレゼントかぁ・・・ ・・・・なに、もらったっけ。 えーと。 えーと。 あ、そうだ!メイド服っ !! って・・・これは言えないか・・・。 あとは・・・お泊まり用の部屋着かな。 動物の耳とか尻尾がついてるヤツ。 うさぎ とか、ねこ とか、クマとかゾウとか・・・ 最近だと カピバラ・・・・・ ・・・・・って、 こんなん 言えるか───っっ/////! 思い出したら 顔が ぶわぁ!と熱くなってきた。 邪念を追い払うべく、ブルブル頭を振って、クラクラして 男子生徒にぶつかった。 『???どうかした?』 『ご、ごめ・・・なんでもない・・・////っっ! プ、プレゼントも えと・・・大したもの もらってないかなーっ!』 『そうなの?』 『う、うん・・・////っあははっ!』 『そっかー。』 『う、うん・・・!』 『・・・・そーかー・・・・・』 『・・・・あ・・・・・・・・・・』 し、しまった・・・・・。 話が止まってしまった・・・・。 ああ・・・でも、 考えれば考えるほど、俺って・・・・アイツらに 色々してもらってるのに・・・何かをしてあげた事って ホントに少ない・・・・ よし。 やっぱり、ここは アイツらが喜んでくれそうなプレゼントを探さなきゃ! 気合いを入れ直す。 『よし!もう1回 、回ろう!』 俺は、勢いよく立ちあがり、男子生徒の腕を掴んだ。

ともだちにシェアしよう!