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俺の名は。(救世主くんのひとり言)

佐野山 光希 同じクラスの 小早川 玲音と 邑上 咲哉の ・・・・・・・・・彼氏。 2人の男と つき合っている男子生徒。 俺は今、佐野山の事で悩んでいる。 * * * * * * 高校に入学して わりとすぐ 小早川と邑上のカミングアウトで 2人が佐野山にアタックするのを知った。 最初は 「男同士で?」って、ちょっと引いたけど、2人の強引な手によって オとされたであろう佐野山は なんだか幸せそうで。 もちろん、オとした2人も同様に幸せそうで、まあ こんなのもアリかな?って思うようになった。 でも、時々 可哀想なくらい 弄られまくって、 人目も気にせず イチャつかれて、 恥ずかしそうにしている佐野山を見かけると・・・見過ごす事が出来なくて そっと助け船を出してやる、いつしか それが俺の日課になった。 なんで助けたくなるのか? うーん。だってさぁ・・・佐野山ってヤツは 可愛いんだよ、男のクセに。 可愛いって言っても、 彼女に対する「可愛い」とは全然 違って、 なんか・・・こう・・・小動物的な可愛さ?っつうのかな? そんな感じで、つい 手を差しのべたくなる、助けたくなってしまうんだよな。 んで、佐野山の方も 俺に感謝してくれて、助けた後は いつもキラキラした目で俺を見てくるから・・・その顔が見たくて ついつい余計なお節介をしてしまうんだ。 だけど・・・・・佐野山、 俺は知っているんだ。 お前が、俺の名を知らない事を。 はじめは俺も全然 気づいてなかった。 だけど、話してると いつも どこかのタイミングで佐野山の挙動がおかしくなる。 なんでだ・・・? 何度か話して、あれこれ分析した結果、 俺は ついに 見つけた。 佐野山に1度も名前で呼ばれていないという事実を。 そうだ、佐野山は・・・俺の名を知らないんだ。 確信した。 それが分かっても、 なんとなく・・・今さらって感じがして 改まって自己紹介も出来ない。 そして、佐野山の方も 今さら 「名前なんだっけ?」なんて 聞けないんだろう。 結局 そのまま 言えずじまい、聞けずじまい。 悪循環というか、堂々巡りというか。 ここは、いつも助けてる俺が なんとかしなければ・・・! そんな事を考えていたある日、たまたま1人で帰っている 佐野山を見つけ、チャンス!とばかりに クリスマスプレゼントを買うのに つき合ってもらった。 2人で何処かに行けるチャンスなんて 滅多にないだろうし。 よし! これで距離を縮めて、さりげなく名乗れたら・・・なんて思ってた。 だけど・・・・・・想像してた以上にプレゼント選びに難航して、疲れきって そこに頭が回らず、やっとプレゼントが決まって ホッとしたら、今度は 彼女と会うことになって、浮かれて そのまま帰ってしまった。 そして、佐野山に会えないまま、冬休みに入ってしまった。 結局、名乗れずじまい。 佐野山。 彼女は 佐野山と選んだプレゼント、すごく喜んでくれたよ。 お正月には一緒に初詣に行くんだよ。 今年も あと ちょっと。 来年こそは、俺の名を佐野山に・・・言う! 佐野山、俺の名は・・・・・俺の名は・・・ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ 『ん?』 おっと!彼女から電話だぁ ♪ じゃあ、また来年! みなさん、いいお年を ♪ おわり(笑)

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