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もう1つのイベント☆1
─── 新年 明けました!
今日は、元旦。
昼になってから、近くの神社に初詣にやって来た。
・・・・3人で。
『光希、足もと気をつけて。』
『人が多いからはぐれないようにな。』
『うん。』
「3人」と いっても、いつもの3人ではない。
俺の隣を歩くのは・・・
単身赴任先から正月休みで帰ってきた父と、
病院から3日間の休みを もぎ取ってきた母。
夏休み以来、久しぶりに家族が揃い、
昨夜は遅くまで 夜更かしして、昼までのんびりしてからの初詣に行く。
これが、最近のうちの家族の恒例行事だ。
因みに、玲音と咲哉は・・・
さすがに 年末年始は 家族で過ごすらしく
次に会うのは、3日後。
って言っても、一昨日まで一緒にいたから
あまり寂しさは感じない。
会うと必ずシちゃうから、この3日間で体と腰を休めておこう、なんて思ったりしてる。
『あ、おみくじ!』
『はいはい。好きねぇ。』
『俺も買ってみるかな。』
父も着いてきて 2人で列に並ぶ。
『父さん、珍しいね。』
『・・・たまにはな。』
なんか・・・父さんと2人って・・・・嬉しいけど
なんか照れくさいな・・・・・////
『光希。』
『んー?』
『お前・・・・『あれ?佐野山?』
父さんが何か言いかけた所で 前にいたカップルの男の子の方が俺を呼んだ。
『え・・・・?あ。』
『やっぱり、佐野山だ ♪ 』
俺を呼んだのは・・・・玲音と咲哉のクラスの
あの、例の 「救世主」くんだった。
『あ・・・・・えーと・・・・・・』
な、名前・・・・・・名前・・・・・名前ぇ・・・・!
『光希、ご挨拶。』
考え込む俺に父のひと言。
『あ、そ、そか・・・あの、明けましておめでとう。今年もよろしく・・・!』
『いつも息子がお世話になっております。』
2人で 頭を下げると、救世主くんも慌てて頭を下げた。
『あ、こちらこそ。明けましておめでとうございます。佐野山、今年もよろしくな。』
『うん。よろしく!』
ひとしきり 挨拶を済ませると、父さんは気を利かせたのか母さんの所へと戻って行った。
『あ。あの・・・これ、俺の・・・彼女・・・デス ////』
と、救世主くんが真っ赤になりつつ、隣に立っていた女の子の肩を抱く。
あぁ・・・この子が あのクリスマスプレゼントの彼女さんかぁ。・・・かわいいなぁ。
『あの・・・佐野山くん。明けましておめでとう・・・・///』
ペコリと頭を下げられて、女の子とあんまり話した事のない俺は 焦ってしまい しどろもどろになる。
『あ、あの・・・おめでとう!あ!明けまままして・・てっ・・・・//////!』
『はは。佐野山、緊張しすぎ。』
『佐野山くん、面白~い。 』
2人に クスクス笑われてしまった。
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