373 / 700
もう1つのイベント☆3
と、とにかく・・・・!
行かなきゃ・・・・・・!
会わなきゃ・・・・・・!
謝んなきゃ・・・・っ!
2人に・・・!
玲音と咲哉に・・・!
『お、俺・・・・っ!行ってくる!』
スクッと立ち上がり、走り出そうとする俺を
救世主くんが慌てて止めにかかる。
『・・・・・え?ど、どこに・・・・?』
『アイツらのとこ・・・・っ!』
『・・・・・え?ちょ・・・おい!佐野山!』
『佐野山くん・・・?』
『行ってくる!』
救世主くんを振り払い、走り出す。
『さ、佐野山ぁ──っ !?』
『佐野山くん・・・・・っ !?』
『・・・え !?光希?』
『・・んん?光希?』
俺の名前を呼ぶ2人の声に 父と母も 気づいて 甘酒を手に、こちらに向かってくる。
『ちょっと・・あ、熱っ!どうしたの?』
『あちちっ!どうした?光希・・・!』
慌てて歩くと紙コップの中で揺れる甘酒。
・・・・相当 熱いらしい。
けど、構ってられない。
─── 俺は・・・・俺は・・・!
行かなきゃならないんだぁ・・・!
『え?光希、どこ行くの !?』
『ど、どこに行くんだ?光希!』
『う・・・・!うぇぇぇん!
ちょっと・・・・ちょっと、そこまでーっっ !!』
『よし!佐野山~!ファイト~!』
『佐野山くーん!頑張って~!』
もう、止まらないと思ったらしい 救世主くんと彼女さんが エールを送ってくれる。
『光希・・・!え?が、頑張って・・・?』
『光希~!よく分からんが行け~!』
両親も 訳も分からないまま、手を振ってくれた。
悪いな・・・と思いながらも、両親と友達を置き去りにして、ダッシュで境内を抜け、長く続く階段を ひたすらに駆け下りたのだった。
「玲音と咲哉に会いたい」
ただ、それだけしか頭になかった。
ともだちにシェアしよう!