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もう1つのイベント☆6
玄関から長い廊下を抜け、普段は入った事のないリビングルームに通された。
やはり高そうなソファーにちょこんと座ったものの・・・・・落ち着かない。
お父さん2人ともスーツ姿だし
元旦に連絡もなくやって来ちゃったし
ホントはすごく迷惑なんじゃないかって・・・。
「後悔先に立たず」 って言葉が頭の中を ぐるぐる回っている。
『みっきー君、コーヒーでいい?』
『ジュースもあるよ?みー君。』
『は、はい!あ・・・、いえ!
あの・・・大丈夫です・・・・・!』
『そう?』(←玲音 父)
『は、はい。あの・・・すみません』
『謝らなくてもいいんだよ?』(←咲哉 父)
『そうそう』
お父さんたちが それ以上は何も言わずに俺の向かい側に並んで座る。
『自己紹介が まだだったね。
俺は小早川 玲(れい)です。
いつも玲音がお世話になってます』
『俺は 邑上 冬哉(とうや)。咲哉の父親です。咲哉がお世話になってます 』
大人の男の人に丁寧に頭を下げられ、俺の頭の中は真っ白になる。
『いえ!そんな!そんな・・・・俺の方こそ いつもご飯とか おやつとか美味しいもの食べさせてもらってるし、しょっちゅう泊まりに来たりなんかしてるし、色々してもらってばっかりで、俺のが断然 お世話になってます!ありがとうございます!』
自分でもテンパってて何を言ってるのか よく分からなかった・・・けど 思ってる事は伝わった・・かな?
反応のない事に不安になりつつ 顔を上げると
『『・・・・・・・・・・・・・・・・』』
ポカンと俺を見るお父さんたちと目が合った。
あれ?・・・・・ヤバ。
やっちゃった?俺・・・・・・
どうしよう・・・・・
でも、その心配は杞憂で・・・
『あぁ・・・・可愛いなぁ、ホントに ♪ 』
『ホントに。いい子でよかったな ♪ 』
うんうん と頷きあう お父さんを見てホッと
一安心 した・・・・ところに、
「「ただいま~!」」
と馴染みのある、
待ち望んでいた声が聞こえてきた。
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