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もう1つのイベント☆7
ドアが開いて、買い物袋を下げた玲音が入ってきた。
その後に 今度は玲音の倍はあろう大量の荷物を抱えた咲哉が入ってくる。
『──────っ』
“ 会いたい ” と、切に願っていたからなのか
2人の姿を見ただけで胸がドキドキ高鳴って
言葉が・・・出てこない。
『『おかえり~』』
『はいはーい 。疲れたぁ~ ♪ 』
『はあ、重。荷物 置いてくる』
なのに2人は・・・
俺の熱い想いにも(というか そもそも俺の存在にも)気づく事なく、ダイニングの方へと消えてしまった。
あ、あれ?
行っちゃった・・・・。
なんか・・・なんとなく、2人なら すぐに気づいてくれるものだと思ってた・・・から、ちょっと寂しくなったりして。
まぁ、俺が会いに来てるなんて思いもしてないだろうから仕方ないか。
なんて、自分に言い聞かせていると、パタパタと足音がして 2人が 戻ってきた。
その表情は、キラキラ輝く笑顔満開で、真っ直ぐ俺に向かって走ってくる。
『みっきーぃぃ!』
『みーぃぃい!』
走ってきた勢いのままドーンと飛びつかれ、
目の前にチカチカと星が飛んだ。
『・・・ぐぇ・・・・っっ !!』
『いらっしゃい~!』
『会いたかったぞ!』
そのまま両側からギュウギュウ抱きしめられ、今度は息苦しさに目眩がしてくる。
『・・・う、うぐぐ・・・・っっ!』
『玄関でみっきーの靴を見つけた時の感激ったら もう!』
『会いに来てくれたって分かった時の感動って言ったらもう!』
『・・・・・・・は・・ぇ・・・っ !?』
『あー!うーれーしーいーっ!』
『最っ高に嬉しいぞーっっ!!』
頬ずりしながら チュッチュッと キスを繰り返す2人。
『や・・・め・・・!く、ぐるし・・・っっ・・・・』
な、なんて情熱的な・・・・・これこそ2人らしい。
───じゃなくて!
コイツら・・・気づいてやがったのか!
くそぉ・・・!やられた・・・・!
てか、くーるーしーいーっっ!!
『こら。玲音も咲哉も・・・』
『そのくらいにしときなさい』
そんな俺たちの様子を ニコニコ笑って見守っていた お父さんたちが やんわり止めてくれる。
『───── っっ !!/////////』
『・・・・・・・はーい』
渋々・・といった感じで2人が離れた。
でも 俺は・・・・・・今の痴態?醜態?を見られてしまった、と思うと もう 恥ずかしくて 顔も上げられない。
いや、
抱きついて来たの コイツらだけど。
でも・・・・・でも・・・・・・・////
『///////////////////』
『みっきー、部屋 行こ?』
真っ赤になって俯く俺に、気を利かせたのか玲音が立ち上がって 手を取る。
『そうだな、行こう』
咲哉もすかさず 俺の腰を抱いて立ち上がらせ、歩きだす。
『・・・・・・・っ、あ、でも・・・・・』
お父さんたちが・・・・・
まだ ちゃんと話せてないのに・・・
と、歩かされながらも 振り向くと
『いいよ。玲音と咲哉に大切な用事があったから来てくれたんでしょ?』
『俺たちとは また今度、ゆっくり話そう』
お父さんたちも気を利かせて 笑って手を振ってくれて・・・・名残惜しく思いつつも 2人に会いに来た本来の目的を果たすため、リビングを後にした。
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