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もう1つのイベント☆8

咲哉の部屋に入ると、いつものようにソファーに座らされ、頭をよしよしと撫でられ、そっと優しいキスが降ってきた。 その顔は 純粋に “ 会いに来てくれて嬉しい ”って 言ってくれてて・・・・緊張で強張った体から ほんの少し 力が抜けた。 『何か飲む?みっきー。』 『コーヒーでも淹れようか?』 と、2人は気を使って言ってくれたけど・・・ 俺は首を横に振って断った。 今なら言えそう。 ここで時間を空けたら きっと言いにくくなってしまう。 2人が 俺の隣に座ったのを確認して、1度 深呼吸をしてから、 『あ、あの・・・・あのさ。 た・・・誕生日の事なんだけど!』 と 切りだし、 『俺、いつなのか知らなくて・・・ 何にもしなくて ごめんなさいっ!』 胸の中で燻っていたモヤモヤをストレートに ぶつけた。 い、言った・・・・・! 言っちゃった・・・・! 2人はなんて思ったかな・・・? ドキドキしながら 2人の反応を待つ。 すると、2人は顔を見合せ、不思議そうに首を傾げた。 『え・・・・・・誕生日?』 『俺たちの・・・・か?』 『そう・・・!咲哉も玲音も もう終わっちゃっただろ?俺、知らなくて・・・、っ!あ、知らなかったじゃすまないんだけど・・・!でも・・・ 』 『いやいや!待って?みっきー。』 『そうそう!待ってくれ、みー。』 慌てて 言い訳を始める俺を 2人が 止める。 そして・・・ 『誕生日なら・・・』 『俺たち・・・・・・・』 『『ちゃんと してもらったよ(ぞ)?』』 と、にっこりと笑って言った。 『・・・・・・・・・・・え?』 ちゃんと・・・してもらった? え? 俺、・・・したっけ? したっけ? 『・・・・・・・・・・・・・・・・。』 必死で 記憶を呼び覚ましてみる。 咲哉の誕生日は 10月、 玲音の誕生日は 12月。 咲哉は だいぶ前だけど、玲音は つい最近だ。 ・・・・・・・・で、だ。 何かしたっけ?俺。 いやいや、俺・・・・・してない。 何にも。 何かしたなんて 全くもって 記憶にございませんけども? 『・・・いや、してな・・・・・』 『『してもらったってば。』』 俺の言葉を遮り、またしても にっこりと笑う2人。 にっこり、にこにこ。 気味悪いくらいの にこにこっぷりだ。 『・・・・・・・・・・え・・・?』 ちょっと待って??? 俺、知らないうちに何かした・・・の? ・・・・・・・え? したの? いつの間に・・・・俺に そんな能力が?

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