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もう1つのイベント☆23

手を洗って食卓につくと、いつもより豪華な おかずたちが、ところ狭しと並んでいた。 『わ!美味しそう!』 お正月の定番おせちに、ちらし寿司、お刺身に 唐揚げ、豚の角煮・・・! うわー!大好きなのばっか! 『さ。座って、座って~。』 『食べよう、食べよう。』 『うん!』 みんなで手を合わせて「いただきます」。 まずは ちらし寿司をパクリ。 『美味しい~っ!』 『母さんのちらし寿司は最高だな!』 『まあ、ありがとう~。』 あー。 やっぱり家族がみんな揃うのっていいな。 賑やかで 楽しくて。 『ところで、光希。』 キレイに殻を剥いた大きなエビを口に入れた時、不意に 父さんが俺を呼ぶ。 『・・・・む、・・・にゃに?』 『お前、誰に会いに行ったんだ? もしかして 彼女か?』 『───────っっ! ・・・かっ !?かの・・・、ごほっっっ!』 思いもかけない言葉に、ビックリして 食べかけていた 海老が喉に詰まって咳き込む。 『もー、光希。何やってんの。』 『ごほっ、ごほっ・・・!』 『大丈夫か?光希。』 『ごほっ・・・げほっ・・・う・・・、うん・・・』 2人が席を立って 背中を擦ってくれる・・・けど 俺の頭の中は まだまだパニック状態だ。 か、彼女・・・・・・・っ! 彼女ってぇぇ・・・・・! どうしよう・・・! 会いに行ったのは、 彼女じゃなくて・・・彼氏です。 しかも、1人じゃありません。 2人と付き合ってます。 なんて・・・ 言える訳・・・・・ないじゃんかー! しばらくして漸く咳も治まって、父さんも母さんも自分の椅子に戻った。 『え、えーと・・・・・その・・・・』 な、なんて言おう・・・ なんて言えば・・・・ ウソはつきたくない。 だから、 言葉が出てこない。 『あ、会いに行ったのは・・・えーと・・・ 彼女じゃなくて・・・・』 『え?彼女じゃないのか?』 『うん・・・・・・。』 「彼氏です」って言えたら。 どんなにいいだろう。 いつかは・・・言わなきゃいけないんだけど。 今はまだ・・・・ 『あの・・・・大好きな人・・・・/////』 ウソは言ってない。これなら。 これしか今は言えないけど。 大好きな人・・・なんだ。

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