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もう1つのイベント☆38
朝ごはんを済ませ、ミルクたっぷりのコーヒーを飲みながら、2度寝をしようか、このまま起きていようか、ぼんやり考えていると・・・・
ジーッと、父さんが俺に 熱い視線を浴びせているのに 気がついた。
『・・・・・・?・・・・・・・・父さん?』
ジーッ。
呼びかけても 答える事もなく、父さんは、ただ ひたすら熱い眼差しで 俺を見つめ続ける。
『・・・・・・・・・・・・・?』
なんだろう・・・・。
・・・・なんで?
・・・・・・・・・・あ !!
もしかして・・・・・・!
まだ、イジメられてるって疑ってる・・・・
とか?
うーん・・・
この 何かを探るような真剣な眼差し。
ありうる・・・・・かも。
うわー、どうしよう・・・・。
どうやって言えば分かってくれるかな・・・
───と、あれこれ思いを巡らせていると・・・父さんが いきなり、どこか満足げに、またしても とんでもない事を口走った。
『うん。
光希、お前・・・可愛くなったなぁ!』
『・・・・・・・・・・・・へ?』
え?
か、可愛く・・・・・?
予想外の言葉に 石になる 俺。
そこへ、
『あらやだ!お父さんたら~!
光希が可愛いのは当たり前じゃない!』
洗い物を終えた母さんが乱入してきた。
『ああ。もちろん!
でも、より可愛くなったんだって!
さっき 確信したんだ!』
『あら~!やっぱり?お父さんも気がついた?そうなの!光希ったら、最近 ますます可愛くなったのよね~!』
固まる俺をよそに 楽しそうに2人は盛り上がる。
『帰ってきたらなんか雰囲気は変わってるし
時々、大人びた顔もするし。俺は、てっきり
イジメられてるのか?って 勘違いしたよ。』
『イジメられてる?光希が?ないない!
ないわよぉ~。』
『そうか。じゃあ何があったんだ?光希に。』
『うふふ。それは恋してるからよぉ!』
『おー!そうか!恋か!』
『そうよ!恋よ~、恋!』
『恋は人を変えるもんな!』
『そうよ、恋は人を変えるのよ!』
『そうかー!』
『そうよー!』
『・・・・・・・・・・・・・/////』
えーと・・・・・・・・
なんだ、これ・・・・
なんなの、これ・・・////// !
こんな普通顔の俺を 可愛い・・・?
とか、もうっ//// !!
いくら親だからってっっ///// !!
もうっっ!恥ずかしいっっ/////!
もうーっっ////!
なんだか 居たたまれなくなって、
飲みかけのコーヒーを一気に飲み干すと、
慌てて立ち上がった。
『・・・俺、部屋 戻るね・・っ/// !!』
そうだ・・・!
部屋に戻って 2度寝をしよう!
そうしよう!
まだ、話し込む父さんと母さんを横目に、
マグカップをシンクに置くと、急いで キッチンから逃げ出した。
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