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みっきー風邪をひく☆12

朝ごはんは、とっても美味しかった。 カボチャと豆乳のポタージュに ふわふわの白パン、桃のゼリー ホントに美味しくて 全部 おかわりしたかったけど「病み上がりだから」って、2人に止められてしまった・・・残念。 『お前ら、お店 出せばいいのに』 片付けを済ませて、部屋に戻ってソファーに落ちついてから 言ってみる。 『あぁ、うん。まあ・・そのうち ね?』 『今は みーの専属シェフだけどな?』 2人はDVDの棚を漁りながら サラッと答える。俺も「ふーん」と頷いたものの、何かが引っ掛かった。 『・・・ん?・・・・そのうち?今は?』 なんか、 意味ありげな言い方・・・ 『まあまあ、その話はまた今度 ♪ 』 『まずは、地固めが先だからな ♪ 』 『・・・・地固め・・・・?』 何だ、それ・・・? ますます 話がワケが分かんない方向に 行ってる気がするんだけど・・・ 『地固めって・・・・・?』 もう1度 聞けば、2人は すっかり ご機嫌で ペラペラと 喋り始めた。 『うん。ママさんはクリア済みだからね。 今回は みっきーのパパさんご挨拶 出来て、よかった ♪ 』 『ああ。これから パパさんを どう攻め落としていくか、じっくり考えないとな ♪ 』 『『ねー ♪ 』』 ・・・・・・・・・・・・え? 『───── ちょ、ちょっと・・・! 今、なんつった???』 母さんは、クリア済み? これから父さんを攻め落とす?? 『え?それ、どうゆう事・・・ !?』 『え?だから、地固めだってば~』 『そう。俺たちの未来のためのな』 『・・・・・・・・・・・え・・・・・え?』 『少しずつ、一歩ずつ、ね?』 『確実に進めていかないとな』 『・・・・・・・・・・・・・・・』 え?ちょ、ちょっと待って? 頭がパニック・・・・! 『まあまぁ。気にしなくていーから ♪ 』 『みーは、ただ待ってれば大丈夫だ ♪ 』 『・・は、・・・・はぁ・・・・』 『みっきーのため、俺たち3人のため、頑張るからね ♪ 』 『そうそう。俺たち3人の未来のため、頑張るからな ♪ 』 『・・・はあ・・・・・・・・・』 俺たちの・・未来の・・・・・ため・・・ それは嬉しいし、有り難いけど・・ それよりもさ、母さんはクリア済みって・・・・ クリア済みって事は・・・・・ つまり、母さんは・・・・・ 『あの・・・・母さんて、俺たちの事・・・ し、知ってんの・・・・・・・・・・?』 恐る恐る 聞くと、 『『もちろん ♪ 』』 もっとも 恐れていた答えが返ってきた。 『・・・・・・・・・・・ 』 ウソ・・・・・・ どうしよう・・・・ 母さん・・・・知ってた・・・・////! 知られてた・・・・・・////! どうしよう・・・・俺・・・・どうしよう・・・! 頭が・・・、パニック過ぎて うまく回らない・・・・・・! へなへなと ソファーに寝そべる俺を見て 2人が 慌てて近寄ってきた。 『あれ?大丈夫?みっきー ?』 『また具合い 悪くなったか?』 『・・・・・・うぅ・・・・・・・・・』 ショックで答えられないでいると いきなり咲哉に抱えあげられ 寝室に連れて行かれ、ベッドに放り投げられる。 『・・・・・・え?』 慌てて起き上がると 2人がニヤニヤ笑いながら ベッドに上がってきて・・・ 『今日も1日中 寝てないといけないね?』 『ああ、ぶり返したら大変だからなぁ・・・』 とか言いながら じりじり迫ってくる。 『・・・・え?いや、だ、大丈夫・・・・!』 逃げようにもベッドの上では 逃げ場はなく・・・ すぐに押し倒されて 左右から ガッチリ抱きしめられてしまった。 『あ、あの・・・寝るなら1人で・・・・・!』 『いやいや~。遠慮しないで?』 『俺たちも一緒に寝てやるって』 鼻を膨らませ、ニタニタ笑う2人。 完全に 変態スイッチが入っている。 『さあ、可愛い可愛い みっきー?』 『俺たち と夢の世界へ旅立とう!』 『・・・・・・っ!い、いや─────っ/////』 こうして 俺は・・・この日も1日中 ベッドの上で過ごすハメになり、夢の世界の住人になったのだった・・・・・。

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