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バレンタイン☆2
『もー!学校で抱きつくなって、いつも
言ってるだろ・・・・っ/////』
廊下を歩きながら、ぷりぷり怒って見せても
2人は 気にする様子もない。
『だって~、可愛かったんだもーん 』
『だな。みーが可愛すぎるのが悪い 』
なんて事を恥ずかしげもなく言ってのける。
『・・・・、──ア・・・アホか・・////!
か、可愛くなんかないしっ・・・・//// !!』
『あっ!みっきー真っ赤 !!かわい~!』
『おぉ!照れてる みー! 可愛いぞ~!』
照れてるというか・・・
身に合わない事を言われて 恥ずかしくなっただけなんだけど・・・
理由はともあれ、真っ赤になって立ちすくむ俺に 2人は 腕を回して、ギュウギュウ抱きついてきた。
『っ!・・・・ちょ・・っ・・・////』
ったく!
言ったそばからベタベタと・・・!
ここは まだ学校の中。
下校中の生徒が 廊下をウロウロしてるっていうのに////!
『こ、こら・・・離せ!ここ学校・・・・っ///!』
抱きついてくる手を ベチンッと叩くと
意外にも あっさり2人が体を離した。
やれやれ・・・・///
ホッとして気を抜いた、その時・・・今度は
ふわっ・・・と 体が宙に浮いた。
『・・ぅわわっ !?な・・・なに・・・っ !?』
突然、浮いた体と 不安定な体勢に慌てて、
目の前の何かに ギュッとしがみつく。
『・・・・・・・・?』
何が起こったのか・・・恐る恐るしがみついた
何かを見ると、そこは咲哉の腕の中だった。
『・・・・うぇ !?な、な、なに//// !?』
なんで、なんで俺・・・・・
お姫さま抱っこなんかされてんの !?
『うん。ここ、階段だからね?みっきー 』
『落ちたら危ないから俺が 運んでやる!』
は・・・・・・・・?
『はぁ !?・・・いや!自分で降りれるしっ !!
下ろせよっ!アホ・・・ッ/////』
『『イヤでーす ♪ 』』
『は、はな・・・・せっっ//////!』
『『イヤでーす ♪ 』』
しばらく頑張ったものの
暴れても どうにもならないって事と
暴れたら ムダに注目を集めてしまうって事に気づいた。
悔しいけど 諦めよう・・・・
おとなしくなった俺に2人は、
満足そうに頷きあって それはそれは爽やかに 笑った。
『・・・・・・・・・・・・!』
・・・きっと、その変化に
誰ひとり、気づかないだろう・・・
だけど・・・・俺には分かる。
分かってしまう・・・
爽やかな 笑顔の裏に
見え隠れする 妖しい光・・・・
『さ、早く おウチに帰りましょう ♪ 』
『帰って あれこれ、致しましょう ♪ 』
爽やかな笑顔は 一瞬で消え失せ、鼻の下を伸ばし 変態エロモードに入った2人は・・・・
全速力で 階段を駆け下り始めた。
『・・・・っ!ぎゃ、ぎゃ────っっ !!』
『あはははー!』
『ははははー!』
まるでジェットコースターに乗ってるみたいに上下左右に揺さぶられ、落ちていく感覚。
目が回って 何にも見えない。
何がなんだか分からなくなって ひたすら咲哉にしがみついて、耐えた。
『・・・・・・・・・・・』
う・・・・・気持ち悪・・・・
こんにゃろ・・・
加減ってモンを知らんのか・・・
と、文句のひとつでも言ってやりたい。
言ってやりたい・・・・・トコロなんだけど
いつの間にか乗せられていた お迎えの車の中。
『みっきー ♪ 好き好き~ ♪ 』
『みぃー ♪ 好きだぞぉ~ ♪ 』
ぐったりと シートに体を預ける俺の首筋に 鼻先を擦りつけて 甘えてくる2人。
『・・・・・・・・・・・』
悔しいけど、
なんだかなぁ・・・・
これが可愛く思えちゃうんだよなぁ・・・
こうなると もう
なんにも言えなくなってしまう。
『みっきー 好きだよ~』
『みぃー 大好きだぞ~』
『・・・・・・・・・・/////』
・・・・・・・あぁ、もう・・・
ったく・・・仕方ない・・・
文句を言うのは また後で いいか。
今は少しでも 気力と体力を回復しなければ。
この後、何もない訳がないし。
朝までコースは勘弁して欲しいな・・・
なんて 思いながら
俺は 流れる車窓から目を離し、ゆっくりと目を閉じた。
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