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バレンタイン☆26
『わーい!みっきーの手づくり~!』
『よっしゃー!みーの手づくり~!』
2人がスマホを手に、 ラッピングしたブラウニーを向けてシャッターをきる。
そして、中身を丁寧にお皿に乗せて、
『わー!ブラウニーだっ!』
『すごい!美味そうだな!』
上から、下から、斜めから
角度を変え、ボタンを連打。
カシャカシャ
カシャカシャ
シャッター音が響き渡る。
『・・・・・・・・・・』
カシャカシャ
カシャカシャ
そんなに喜んでくれて嬉しい・・・けどさ、
一体、何枚 撮る気なんだ・・・・
『あ、あの・・・』
痺れをきらして 声をかけると、今度はカメラのレンズが 俺に向けられた。
『ふふ!いいよ~!いいよ~!』
『ふはは!いいぞ、いいぞ~!』
『!? ────っ/////』
カシャカシャカシャ
『ああ!その顔、かわいいね~!』
『この角度!たまらん!最高っ!』
『ちょ・・・っ、おい・・・・/////』
カシャカシャカシャ
『みっきー、怒った顔もかわいい~!』
『どんな顔も最高だな!俺のみーは!』
『~~~っっ!!』
もう!
このエロカメラマンめ!
だんだん腹立ってきた・・・!
『いーから、食べろっ!
紅茶が冷めちゃうだろっ!
それに!食べないんだったら俺が全部 食べるからな!』
ビシッと言い切ると、2人が慌ててスマホを置き、元の位置に きちんと座る。
そして、まじめな顔で両手を合わせ
『『いただきます!!』』
と、フォークを手に取った。
すごい・・・・!
やれば出来るじゃん!
─── 俺っっ!
☆☆☆
『・・・・ど、どう・・?』
やっと食べてもらえた、ブラウニー。
頑張って何度も作ったし、味見もしたし、
上手く出来た、って自信はあったけど・・・
口に入る瞬間は ドキドキして 口から心臓が飛び出そうだった。
『ん!おいしー! ♪ 』
『うん、うまい! ♪ 』
ひと口 食べて すぐ出た言葉と、キラキラの笑顔に ホッと息をついて、(やっぱり冷めてたから淹れ直した)ショコラティーを啜る。
『あ、おいしい』
今度は、ミルクと砂糖たっぷり入れたら、
甘くて すごく飲みやすくなって 思わず頬が緩む。
『ふふ。みっきー、可愛い ♪ 』
『お子ちゃまだな、みーは ♪ 』
『う、うっさいな・・・////』
お子ちゃまだろうが、なんだろうが
美味しい方がいい!
それに!
お前らのせいで
体は しっかり大人だ!バカヤロー!
はっ!
なに言ってんだ俺は・・・////!
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