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進級☆4
『さぁ、佐野山』
『どうする?』
『捨てられる前に別れちゃう?』
あーっっ!もうっっ!!
マジで、なんなん!?ムカつくーっ!
『捨てられないし、別れないっ!
つーか、お前らが決めんなっ!バカっッ!』
怒りに任せて きっぱり言ってやる。
すると・・・俺の態度が気に障ったのか
3人から笑みが消えた。
『バカ?・・・佐野山、お前・・・』
『生意気だよなぁ』
『親切に言ってやってんのに』
ドン!と壁を叩かれ、机の足を蹴られる。
『・・・・・・っ・・・・!』
冷たく見下ろす視線。
ここで、初めて 怖さを感じた。
誰か1人の手が伸びてくる・・
うっ・・・・!
もう、ダメだ・・・殴られる・・・!
ギュッと目を閉じた、そこへ・・・・
『は~い、そこまで~』
『みーから離れろ~?』
のほほーんと間延びした声。
聞き慣れた、待ち望んでいた声が聞こえてきた。
『───玲音っ!咲哉・・・っ!』
『はっ・・・・!』
『なっ・・・・!』
『うわぁっ!』
俺を囲んでた3人が、後ろに ふっ飛んだ。
ガタガタと机をなぎ倒して、床に転がる3人は痛さに声も出ないようで・・・ちょっとだけかわいそうになった。
『みっきー、大丈夫?』
『けがないか?みー?』
口調は優しいけど、その顔は怒りを露にしてて
初めて見る怖い表情だった。
『あ・・・・う、うん・・・・』
『・・・・そう』
『よかった』
そう言いながら、玲音と咲哉は転がる3人の襟を後ろから掴んで 無理やり立たせて 教室のドアの方へ引きずっていく。
ちなみに、玲音が1人、咲哉が2人・・
『ごめんね?みっきー』
『ちょっと待っててくれ』
そのまま教室を出ていこうとする2人を
慌てて止める。
『・・・・・・・・え?どこ行くの?』
『うん。俺たち、この3人に・・』
『ちょーっと、話があるから・・』
『・・・・・・・・え』
・・・・話?
話・・・だけ?
・・・じゃ、済まなそうな顔してるけど・・・
いくらなんでも暴力沙汰は・・・マズい!
『玲音・・咲哉・・・乱暴なコトは・・・』
『ん?ああ、大丈夫 大丈夫~ ♪ 』
『ホントに 話するだけだから ♪ 』
暴れだした3人の襟を にっこり笑って、
ギューッと締め上げる。
『じゃあ、待っててね?』
『すぐ、終わるからな?』
そうして、また動かなくなった3人を引きずり、出ていってしまった。
『・・・・・・・・・・・・』
どうしよう・・・・大丈夫かな?
追いかけた方が・・いいかなぁ?
迷っていると・・
別の誰かが教室に飛び込んできた。
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