『ほら～、温かいうちに食べよ？』 『せっかく作ったんだから、な？』 『･･･････っ』 目の前には ほかほかと湯気をあげるシチュー。熱々ジューシーな からあげ････ あったかい方が美味しいに決まってる。 でも･････ 迷っていると ２人は俺を見て にっこり笑った。 『みっきー、さっき “あとで”って言ったよね？』 『･･･････････え？』 『って事は ご飯作った後は 何してもいいんだよな？』 『･･･････へ？え？･･･えっ･･･？』 な、なにそれ････っ！？ 『『約束したよね(な)？』』 『･･や･･くそく？？？』 確かに“あとで”とは言ったけど･･･！ 約束ってなんだ･･･っ！ 『男に 二言はないよね(な)？』 『････････っ････////！！』 な･･、なんで そうなるのーっ！？ 『ほら、早く食べよーよ』 『はい、座って座って！』 『･････くっ････････』 もうダメだ･･･ さっきまで優勢だったのに 完全にコイツらのペースだ････ (がっくり) 悔しい････！ 「男らしく」に こんな落とし穴があったなんて･･･！ でも････お腹空いたし････ 仕方なく、ホントに仕方なく イスに腰を落とす。 『ひゃっ･････！』 冷たい････っ！ 思わず腰が浮く。 『大丈夫？みっきー』 『抱っこしようか？』 『いっ･･いや！いーです･･っ！』 『そう？？』 『ホントに？』 『う、うん･･っ！』 抱っこなんかされたら 絶対 食べるどころじゃなくなっちゃう････！ もう、ホントに お腹ペコペコだし、 出来るならば、ゆっくり落ち着いて 味わって食べたい･･･！ 立ち上がった２人を慌てて止めると なるべく、エプロンがお尻の下に来るように布を引っ張って イスに座った。 うん。 少し ひんやりするけど 大丈夫！ だ、だいじょーぶ！