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絶対に・・・っ!

『やめろ!イヤだっ!離せぇぇ・・・・っ!』 そこだけは、 そこだけは───っっ!! 絶対に・・・、絶対に・・・っ! これ以上、許すワケには いかない・・・!と、 今 出せるすべての力を右足に込めて、玲音を蹴ってみた。 『わぁ・・・・・・』 『!!!』 ちょうど当たったところが よかったからか 玲音が よろけて 後ろに下がった。 よ、よっしゃーっっ! 今が チャーンスっっ!! 『あ・・・・、みー。』 捕まえようとする咲哉の腕からも、どうにか すり抜けた俺は、やっと危険地帯のソファーから飛び下りる事が出来た。 そのまま部屋の角に走る。 落ちていたズボンを拾うのも忘れずに。 (俺、天才♪) マッハでズボンを履いて、未だ 唖然とソファーの上に(間抜けヅラで) 座っている2人を睨み付ける。 ははは。ザマーみろ。 さ、帰るぞっ! と、その前に・・・・・・ 『きょ、今日の事は わわわ忘れてやる! だから・・・2度と こんな事すんじゃねーぞ!』 精一杯の啖呵を切って、脱兎の如く 今度はドアへと走る。 ドアを開け、廊下に出てから・・・ もう1つ、 言っておかなければならない大事な事があったのを思い出した。 ドアから顔だけ出して、 きっぱりといい放つ。 『それと・・! 学校で俺に話しかけんなよ!? いいなっ!?絶っっっ対にだからなっ!』 ああ。 スッキリした!! そして、また捕まってしまう前に・・・ と、玄関へと急いだ。

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